訪問介護とは?できること・できないこと一覧で解説

訪問介護とは?できること・できないこと一覧で解説(ヘルパーセンターオリーブ)

「ヘルパーさんには、どこまでお願いできるんだろう?」——訪問介護を初めて検討するとき、ほとんどの方が抱く疑問です。「掃除はしてもらえるの?」「家族の分の食事も作ってもらえる?」「庭の草むしりは?」など、頼めることと頼めないことの線引きは、実は国のルールで細かく決められています。

この記事では、訪問介護の基本と、身体介護・生活援助それぞれで「できること」の具体例、そして意外と知られていない「できないこと」の一覧を、介護保険のルールに基づいて解説します。最後に、「できないこと」を頼みたいときの相談先も紹介します。

※2026年7月時点の情報です。最新の制度は公式情報をご確認ください。

目次

訪問介護とは?ホームヘルパーが自宅に来てくれるサービス

訪問介護とは、介護の資格を持つ訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、食事・入浴・排泄などの介助(身体介護)や、掃除・洗濯・調理などの日常生活の支援(生活援助)を行う、介護保険のサービスです。

  • 対象となる方:要介護1〜5の認定を受けた方(要支援の方は市町村の総合事業による訪問型サービスの対象になります)
  • 利用のしかた:ケアマネジャーが作成するケアプランに位置付けて利用します。「いつ・何を・どのくらい」は、ご本人の状態と生活に合わせてケアプランで決まります
  • 費用:かかった費用の1〜3割(所得に応じた負担割合)を自己負担します

大切な考え方がひとつあります。訪問介護は「家政婦さん」や「便利屋さん」ではなく、ご本人の自立した生活を支えるための保険サービスだということです。このため、「ご本人以外のための家事」や「日常生活の範囲を超えること」は対象外とされています。この線引きを次から具体的に見ていきましょう。

身体介護でできること

身体介護は、ご本人の身体に直接触れて行う介助と、それに関連する準備・後片付けなどです。主な例は次のとおりです。

  • 食事介助:食事の見守り・介助、服薬の見守り(一包化された薬の内服介助など)
  • 入浴介助:全身・部分浴の介助、洗髪、体を拭く清拭
  • 排泄介助:トイレへの誘導、おむつ交換、ポータブルトイレの介助
  • 更衣・整容:着替え、洗面、整髪、ひげそり(電気かみそり)の介助
  • 移動・移乗介助:ベッドから車椅子への移乗、家の中の移動の介助、通院・外出の付き添い(日常生活に必要な外出)
  • 体位変換:床ずれ予防のための姿勢の変換
  • 見守り的援助(自立支援のための見守り):ご本人と一緒に行う調理や洗濯物の整理、安全を確保しながらの見守りなど、「本人ができることを増やす」ための関わりも身体介護に位置付けられています

なお、たんの吸引や経管栄養は原則として医行為にあたりますが、研修を修了したヘルパーが、都道府県への登録を受けた事業所で行う場合に限り実施できるしくみがあります。対応の可否は事業所によって異なるため、必要な方は事前にご確認ください。

生活援助でできること

生活援助は、身体に直接触れない家事の支援です。ご本人が一人暮らしの場合や、同居のご家族が障害・疾病などで家事を行うことが難しい場合に利用できます。

  • 掃除:ご本人が使う居室・トイレ・卓上などの日常的な掃除、ごみ出し
  • 洗濯:ご本人の衣類の洗濯・乾燥・取り込み・収納、アイロンがけ
  • 調理:ご本人のための一般的な食事の準備・調理・配膳・後片付け
  • 買い物:日常品や食材の買い物代行、薬の受け取り
  • ベッドメイク:シーツ交換、布団干し
  • 衣類の整理・補修:衣替え、ボタン付けなどの簡単な補修

ポイントは、すべて「ご本人のため」「日常生活の範囲内」という条件がつくことです。

頼めないことの一覧|「ご本人以外」「日常の範囲外」はNG

厚生労働省の通知(老計第10号)や関連通知では、介護保険の訪問介護の対象にならない行為が示されています。大きく3つのグループに分けて紹介します。

1. ご本人以外のための行為

  • ご家族の分の食事づくり・洗濯・買い物
  • ご本人が使っていない部屋(家族の部屋など)の掃除
  • 来客の応接(お茶出し・食事の用意)
  • 自家用車の洗車・清掃
  • お孫さんの世話・送り迎え

2. ヘルパーが行わなくても日常生活に支障がないと判断される行為

  • 庭の草むしり・花木の水やり・庭掃除
  • ペットの世話(犬の散歩・えさやりなど)
  • 観賞用の植物の手入れ

3. 日常的な家事の範囲を超える行為

  • 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ、換気扇の掃除
  • 家具・電気器具の移動、模様替え
  • 家屋の修理、ペンキ塗り
  • 植木の剪定などの園芸
  • おせち料理など、特別な手間をかけて行う調理

そのほか対象外のもの

  • 商品の販売や農作業など、生業(仕事)の手伝い
  • 金銭・貴重品の管理、預貯金の引き出しなどお金に関わる行為(買い物の立て替え精算を除き、原則頼めません)
  • 医行為(インスリン注射、床ずれの処置、摘便など)——これらは訪問看護の看護師が対応する領域です

「なぜここまで細かいの?」と感じるかもしれませんが、介護保険は全国民の保険料と公費で運営されているため、「ご本人の自立した日常生活に必要な支援」に対象を絞る、という考え方が根底にあります。

迷いやすいグレーゾーンの例

  • 同居家族がいる場合の生活援助:同居のご家族がいる場合、生活援助は原則利用できませんが、ご家族が障害・疾病、仕事などのやむを得ない事情で家事を担えない場合は認められることがあります。判断は個別の状況によるため、ケアマネジャーにご相談ください
  • 一緒に行う家事:ご本人の自立支援のために「一緒に」行う調理や掃除は、生活援助ではなく身体介護(見守り的援助)に位置付けられる場合があります

「できないこと」を頼みたいとき、どうすればいい?

頼めないことの中にも、生活の中で本当に困ることはあります。そんなときの選択肢です。

  1. ケアマネジャーに相談する:まずはここから。介護保険の枠内で工夫できること、他のサービスで代替できることを一緒に考えてくれます。ケアマネジャーの役割は関連記事「ケアマネジャーとは?」で解説しています
  2. 保険外(自費)サービスを使う:草むしり・大掃除・家族の分の家事などは、事業者の自費サービスやシルバー人材センター、家事代行サービスで対応できる場合があります
  3. 市町村の生活支援サービス・ボランティア:ごみ出し支援や見守りなど、地域独自のサービスがある場合があります。地域包括支援センターにご確認ください
  4. 医療的なことは訪問看護へ:ヘルパーが対応できない医療処置や健康管理は訪問看護の領域です。違いと使い分けは関連記事「訪問介護と訪問看護の違い」をご覧ください

よくある質問

Q. ヘルパーさんに薬の管理はお願いできますか?

A. 一包化された内服薬の服薬介助(飲むのを手伝う・見守る)は可能ですが、インスリン注射などの医行為はできません。飲み忘れが多い、薬の種類が多くて心配、という場合は、訪問看護師や薬剤師の訪問(居宅療養管理指導)と組み合わせる方法があります。ケアマネジャーにご相談ください。

Q. 息子と同居していますが、生活援助は頼めませんか?

A. 同居のご家族がいる場合、生活援助は原則対象外ですが、ご家族が障害や疾病をお持ちの場合や、仕事でどうしても家事を担えないなどのやむを得ない事情がある場合には認められることがあります。一律に「同居家族がいる=不可」ではなく個別判断となるため、状況をケアマネジャーに伝えて相談してください。

Q. 犬の散歩や庭の水やりだけでも、お金を払えばやってもらえますか?

A. 介護保険の訪問介護では対応できませんが、事業者によっては保険外の自費サービスとして対応できる場合があります。ヘルパーセンターオリーブでも、保険外サービスの対応可否についてご相談を承ります。

まとめ|線引きを知れば、訪問介護はもっと頼りになる

訪問介護で頼めるのは「ご本人の日常生活に必要な支援」、頼めないのは「ご本人以外のための行為」「日常の範囲を超える行為」——この原則を知っておくと、ケアプランの相談がぐっとスムーズになります。頼めないことも、自費サービスや地域の支援など代わりの選択肢がありますので、あきらめずに相談してみてください。

ヘルパーセンターオリーブ(鎌ケ谷市)は、訪問看護・ケアプランセンターと同一グループの訪問介護事業所です。介護のこと、医療のこと、ケアプランのことをまとめてご相談いただけます。「これって頼めるの?」という素朴な疑問からで構いません。まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせ:050-5530-4938/お問い合わせフォームはこちら 対応エリア:鎌ケ谷市を中心とした周辺地域(詳細はお問い合わせください)

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