精神科の作業療法 (OT)
「心の回復」と「自分らしい生活」を取り戻すための
新しいリハビリテーション
💡 OT(作業療法)とは?
精神科におけるリハビリは、重たいダンベルを持つことではありません。
「作業(=生活の中のあらゆる活動)」を通じて、心の調子を整える専門的なアプローチです。
うつ病、統合失調症、不安障害などを抱える方が、住み慣れた家で「その人らしい生活」を取り戻すサポートをします。
フィジカル (身体)
機能回復だけでなく、生活に必要な体力の維持や、薬の副作用による動きにくさを改善します。
メンタル (精神)
「できた!」という小さな達成感の積み重ねで、失った自信や意欲を回復させます。
なぜ「作業」が心に効くのか?
不安や悩みで頭がいっぱいの時、私たちは「負のループ」に陥りがちです。
OTはそこへ「活動」を取り入れ、流れを変えます。
負の思考ループ
不安・悩みで
頭がいっぱいになる
作業・活動に集中
料理・手芸・散歩など
手や体を動かす
自信の回復
「できた!」という
達成感が薬になる
生活のバランスを整える
精神的な不調があると、生活のバランスが崩れがちです。 セルフケア(入浴・睡眠)、生産的活動(家事・仕事)、そして余暇(趣味)。 この3つのバランスを整えることが、OTの大きな目標です。
- 1 セルフケア: 生活リズム、服薬管理、身だしなみ
- 2 生産的活動: 料理、掃除、洗濯、就労準備
- 3 余暇・趣味: 楽しみを見つける、リラックスする
OT介入による生活バランスの変化(イメージ)
※数値はイメージであり、個人の目標により異なります。
スモールステップの魔法
「人が怖い」「外出できない」という不安に対して、いきなり大きな目標は立てません。 OTが同行し、小さな成功体験を積み重ねることで、不安は徐々に減少し、活動範囲が広がっていきます。
サポート例:
- ✅ 近所のコンビニへ買い物同行
- ✅ 散歩で日光を浴びる
- ✅ バス・電車の乗車練習
活動範囲の拡大と不安の軽減
費用について
「専門家に来てもらうと高いのでは?」という心配は不要です。
自立支援医療制度が使えます
精神科訪問看護(OTを含む)は、「自立支援医療(精神通院)」の対象です。 申請することで、自己負担が原則1割になり、さらに所得に応じた「月額負担上限」が設定されます。
月額上限額の例
2,500円 / 5,000円 / 10,000円 など
※世帯の所得に応じて決定されます。上限を超えた分は自己負担0円です。
申請サポート
市役所での手続き方法や書類の書き方も、当ステーションがサポートいたします。


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