自宅での看取りはできる?在宅看取りの流れと訪問看護の役割

自宅での看取りはできる?在宅看取りの流れと訪問看護の役割(あおい訪問看護ステーション)

「できることなら、住み慣れた家で最期まで過ごさせてあげたい」。 そう思いながらも、「家で看取るなんて、家族にできるのだろうか」「急に苦しくなったらどうすればいいのか」と、不安で立ち止まってしまう方は少なくありません。

この記事では、在宅での看取りを支えてきた訪問看護の立場から、自宅での看取りに必要な体制、最期までの一般的な経過、費用と使える制度、そしてご家族の心構えについて、できるだけ落ち着いてお読みいただけるようにまとめました。今すぐ決断する必要はありません。「そういう選択肢もある」と知っていただくことが、この記事の目的です。

※2026年7月時点の制度情報を含みます。最新の情報は公式情報をご確認ください。

目次

自宅での看取りは可能です

結論からお伝えすると、医療と介護の体制を整えれば、自宅で最期のときを迎えることは可能です。実際に、訪問診療を行う医師(在宅医)と訪問看護が連携し、ご自宅で看取りを行うご家庭は少なくありません。

大切なのは、「家で看取る=家族がすべてを背負う」ではない、ということです。痛みや苦しさを和らげる医療は自宅でも受けられますし、夜間に不安になったときに電話できる先もあります。ご家族の役割は「医療者の代わり」になることではなく、そばにいることです。

一方で、在宅看取りが唯一の正解というわけでもありません。病院やホスピスでの看取りを選ぶことも、途中で入院に切り替えることも、どれも間違いではありません。ご本人とご家族が納得できる形を、一緒に探していくものだと私たちは考えています。

在宅看取りに必要な3つの体制

自宅での看取りを支えるのは、おおまかに次の3つです。

1. 在宅医(訪問診療をする医師)

定期的に自宅を訪問して診察し、痛みなどの症状を和らげる治療(緩和ケア)を行います。最期のときには自宅で死亡確認を行い、死亡診断書を作成します。かかりつけの病院から在宅医への引き継ぎは、病院の相談室やケアマネジャー、訪問看護ステーションがお手伝いできます。

2. 訪問看護

看護師が定期的に訪問し、体調の観察、痛みや不快な症状のケア、清拭や口腔ケアなどの体を楽に保つケア、ご家族への介助方法の説明などを行います。終末期には訪問回数を増やして関わることができ、24時間対応体制のステーションであれば、夜間や休日も電話相談・緊急訪問が可能です。「夜、様子が変わったときに電話できる先がある」ことは、在宅看取りを支える大きな柱です。

3. ご家族と介護の支え

ご家族がそばにいることに加えて、必要に応じて訪問介護(ヘルパー)や福祉用具(介護用ベッドなど)を組み合わせます。介護保険のサービス調整はケアマネジャーが行います。ご家族が一人で抱え込まない体制づくりも、私たちの仕事の一部です。

最期までの経過と、そのときどきのケア

経過には個人差が大きく、「必ずこうなる」というものではありませんが、終末期には一般的に、眠っている時間が少しずつ長くなり、食事や水分が細くなり、呼吸のリズムが変わっていく、といった変化がみられることが多いです。

訪問看護師は、その変化を医学的に見守りながら、

  • 痛みやだるさ、呼吸のつらさを和らげるケア(在宅医と連携した症状緩和)
  • 食べられなくなったときの口腔ケアや、安楽な姿勢の調整
  • 「この変化は自然な経過です」というご家族への説明
  • 旅立ちが近いサイン(お看取りが近いこと)の共有と、そのときの連絡手順の確認

を行います。多くのご家族が一番不安に感じるのは「そのとき、どうすればいいのか」ですが、事前に「まず訪問看護に電話してください。救急車を呼ぶ必要はありません」といった段取りを共有しておくことで、慌てずにお見送りができます。旅立ちのあとは、看護師がお体を清め整えるケア(エンゼルケア)を行い、ご家族と一緒にお見送りの支度をします。

費用と使える制度

在宅看取りにかかる費用は、主に「訪問診療の医療費」「訪問看護の費用」「介護保険サービスの費用」で構成されます。いずれも公的保険が適用され、自己負担は原則1〜3割です。

  • 末期のがん(末期の悪性腫瘍)の方の訪問看護は医療保険の対象です。末期の悪性腫瘍は国の定める「厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)」に含まれており、要介護認定を受けている方でも訪問看護は医療保険が適用され、週4日以上など頻回の訪問が可能になります
  • がん以外の疾患で終末期を迎える方も、主治医が「特別訪問看護指示書」を交付した期間(最長14日間)は医療保険で頻回の訪問が受けられます
  • 医療費の自己負担が高額になった月は、高額療養費制度により、年齢や所得に応じた月ごとの上限額を超えた分が払い戻されます
  • 介護保険では、介護用ベッドなどの福祉用具レンタルや訪問介護を組み合わせられます

実際の費用は、保険の種類・負担割合・利用量によって変わります。当ステーションでは、ご相談の際におおよその負担のイメージをご説明していますので、費用面の不安もそのままお聞かせください(保険適用の考え方は「訪問看護は医療保険と介護保険どっち?」もご参照ください)。

ご家族の心構えと、看取りのあとのこと

在宅看取りを経験されたご家族からは、「家で過ごせてよかった」という言葉をいただくことがある一方で、迷いや後悔が全くない看取りは、ほとんどないのかもしれない、とも感じます。次のことだけ、心に留めていただければと思います。

  • 完璧な介護を目指さなくて大丈夫です。 手が足りないところは専門職が補います
  • 気持ちは変わってもかまいません。 「やっぱり入院したい」と途中で方針を変えることは、決して失敗ではありません
  • つらさは一人で抱えないでください。 ご本人のことだけでなく、ご家族自身の眠れなさや不安も、訪問看護師にお話しください

お見送りのあと、悲しみが長く続くのは自然なことです。当ステーションでは、看取り後のご家族の気持ちに寄り添うこと(グリーフケア)も大切な仕事だと考えています。

よくある質問

Q. 家族は医療の素人ですが、本当に家で看取れますか? A. 医療的な判断や処置は在宅医と訪問看護が担いますので、ご家族に医療の知識は必要ありません。「そばにいてあげること」がご家族の一番の役割です。不安な点は訪問のたびに何でもお尋ねください。

Q. 夜中に息を引き取ったら、救急車を呼ぶのですか? A. 事前に在宅医・訪問看護と看取りの方針を共有できていれば、救急車を呼ぶ必要はなく、まず訪問看護または在宅医に連絡していただきます。医師が自宅で死亡確認を行います。連絡手順は前もって書面などで確認し合いますので、ご安心ください。

Q. 一人暮らしでも在宅看取りはできますか? A. 条件によっては可能なケースもありますが、訪問の体制やご親族との連絡方法など、より丁寧な準備が必要です。個別の状況によりますので、まずはご相談ください。

まとめ|迷っている段階から、ご相談ください

自宅での看取りは、在宅医・訪問看護・ご家族の体制が整えば可能です。そして、「在宅にするか、病院にするか、まだ決められない」という段階のご相談こそ、私たちにとって大切な入り口です。

あおい訪問看護ステーションは、24時間365日の対応体制で看取りのサポートを行っています。お電話でのご相談をおすすめします。ゆっくりお話を伺います。

  • お電話:050-5536-3136
  • 対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次