「NICUを退院して家で暮らせるのだろうか」「経管栄養や吸引を、親だけで続けていけるのか不安」——医療的ケアが必要なお子さんとの在宅生活を前に、こうした不安を抱える保護者の方は少なくありません。
たんの吸引や経管栄養、人工呼吸器など、日常的に医療的ケアを必要とするお子さん(医療的ケア児)は、訪問看護をはじめとした在宅支援を組み合わせることで、住み慣れた自宅で家族と一緒に暮らすことができます。
この記事では、小児訪問看護でできること、保険適用と費用のしくみ、保護者の休息(レスパイト)支援、そして船橋市周辺の相談先をまとめて解説します。
※2026年7月時点の情報です。最新の制度は公式情報をご確認ください。
小児訪問看護とは?赤ちゃんから利用できる在宅支援
小児訪問看護とは、看護師や理学療法士などが自宅を訪問し、お子さんの健康管理や医療的ケア、発達の支援、ご家族へのケア指導などを行うサービスです。年齢の下限はなく、NICU(新生児集中治療室)を退院したばかりの赤ちゃんから利用できます。
利用には、お子さんの主治医(かかりつけの小児科医や病院の担当医)が交付する「訪問看護指示書」が必要です。「訪問看護を使ってみたい」と思ったら、まず主治医か、退院前であれば病院の地域連携室・退院支援担当に相談するのがスムーズです。訪問看護ステーションに直接問い合わせて、主治医への確認から一緒に進めることもできます。
小児訪問看護で対応できるケアの例
お子さんの状態や医師の指示に応じて、次のようなケアに対応します。
- 医療的ケア:たんの吸引、経管栄養(経鼻・胃ろう)の管理、在宅酸素・人工呼吸器を使用しているお子さんの観察と管理、気管切開部のケア など
- 健康状態の観察:体温・呼吸・脈拍などのチェック、体調の変化の早期発見、主治医への報告・連携
- 日常のケア:入浴介助・清拭、皮膚トラブルの予防とケア、排泄のケア
- 発達を支える関わり・リハビリ:理学療法士等による姿勢・運動発達の支援、遊びを通じた関わり
- ご家族への支援:ケア手技の練習サポート、育児・きょうだい児に関する相談、不安なことの相談相手
あおい訪問看護ステーションは、人工呼吸器や経管栄養など医療依存度の高い方のケアに対応しており、24時間365日の連絡体制を整えています。「夜間に状態が変わったらどうしよう」という不安に対して、いつでも電話で相談できる窓口があることは、小児の在宅生活において大きな安心材料になります。
医療依存度の高い方の在宅移行については、関連記事「人工呼吸器・経管栄養でも在宅は可能?医療依存度が高い方の訪問看護」でも詳しく解説しています。
保険適用と費用のしくみ|子どもの訪問看護は医療保険
医療保険が適用されます
介護保険の対象は原則40歳以上のため、お子さんの訪問看護には医療保険(健康保険)が適用されます。医師が必要と認め、訪問看護指示書が交付されることが利用の条件です。
医療保険での訪問看護は、原則として週3回まで・1回30分〜90分程度が目安です。ただし、厚生労働大臣が定める疾病等(別表第7)に該当する場合や、主治医が「特別訪問看護指示書」を交付した期間などは、週4日以上の訪問や1日複数回の訪問が可能になります。医療的ケア児は該当するケースが多いため、必要な訪問回数が確保できるかどうかは、主治医や訪問看護ステーションに個別にご確認ください。
自己負担と助成制度
医療保険の自己負担割合は、未就学児は2割、就学後は3割が基本です。ただし、お子さんの医療費には各自治体の助成制度があり、実際の負担は大きく軽減されるケースが多くあります。
- 子ども医療費助成(船橋市の例):船橋市では0歳から高校生の年齢までのお子さんが対象で、県内の医療機関等で受給券を提示すると、自己負担は1回300円(市町村民税所得割非課税世帯は無料)などに軽減されます。訪問看護の利用料(訪問看護療養費)が助成対象に含まれるかは、船橋市の窓口にご確認ください。お住まいの市によって制度内容は異なります。
- 小児慢性特定疾病医療費助成:対象疾病に該当する場合、医療費(訪問看護を含む)の自己負担が軽減される制度です。対象かどうかは主治医にご相談ください。
このほか、障害者手帳をお持ちの場合の医療費助成など、使える制度はお子さんの状態によって異なります。「うちの場合はいくらくらいかかるのか」は、遠慮なく訪問看護ステーションにお尋ねください。制度の確認からお手伝いします。
保護者のレスパイト(休息)も大切な支援です
医療的ケア児の子育ては、昼夜を問わないケアの連続です。保護者が休める時間をつくること(レスパイト)は、決してぜいたくではなく、在宅生活を長く続けるために欠かせない支援です。
- 訪問看護師がケアを行っている時間は、保護者の方が仮眠をとったり、きょうだい児と過ごしたり、自分の用事を済ませたりする時間にあてられます
- 訪問看護のほかにも、医療型短期入所(ショートステイ)や日中一時支援など、レスパイトを目的とした福祉サービスがあります。利用できるサービスの組み合わせは、後述の相談支援の窓口で一緒に検討できます
「親ががんばり続けるしかない」と抱え込む前に、使える支援を知ることから始めてみてください。
船橋市周辺の相談先
医療的ケア児とご家族のための相談窓口には、次のようなものがあります。
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 千葉県医療的ケア児等支援センター「ぽらりす」 | 医療的ケア児等とご家族の相談にワンストップで対応する千葉県の窓口(千葉リハビリテーションセンター内、平日9時〜17時、電話043-291-1831) |
| 船橋市の医療的ケア児等支援の窓口・こども発達相談センター | 市内在住のお子さんの発達・支援に関する相談 |
| 入院中の病院の地域連携室・退院支援担当 | 退院前の在宅移行準備、訪問看護等の調整 |
| 相談支援専門員(障害児相談支援) | 福祉サービスの利用計画づくり |
| 訪問看護ステーション | 医療的ケアの実際、在宅生活の組み立ての相談 |
退院してからの生活準備の流れは、関連記事「退院後の生活が不安な方へ|退院前カンファレンスと訪問看護の準備」も参考になります。
よくある質問
Q. 生後まもない赤ちゃんでも訪問看護を利用できますか?
A. 利用できます。訪問看護に年齢の下限はなく、NICU退院直後の赤ちゃんの在宅移行支援も訪問看護の大切な役割のひとつです。退院前から病院・主治医と連携して準備を進められますので、退院日が決まる前の段階でもご相談ください。
Q. 親が付き添っていないといけませんか?
A. 基本的には保護者の方が在宅している中で訪問しますが、訪問中のケアは看護師が行いますので、その時間を休息や家事、きょうだい児との時間にあてていただけます。お留守番的な長時間の預かりが必要な場合は、医療型短期入所など別のサービスとの組み合わせを一緒に考えます。
Q. 学校や保育園に通っていても利用できますか?
A. 通園・通学しているお子さんも、医師が必要と認めれば訪問看護を利用できます。生活リズムに合わせた訪問時間の調整も可能ですので、ご相談ください。
まとめ|「家で一緒に暮らしたい」を支えるために
医療的ケアが必要なお子さんも、訪問看護をはじめとした在宅支援を組み合わせることで、自宅での生活を続けていくことができます。費用は医療保険と各種助成制度により軽減されるケースが多いため、「お金が心配だから」とあきらめる前に、まず一度ご相談ください。
あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に、小児から高齢の方まで、医療依存度の高い方のケアに24時間365日体制で対応しています。医療機関・療育機関からのご相談・ご連携も歓迎します。
お問い合わせ:050-5536-3136/お問い合わせフォームはこちら 対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心とした周辺地域

