「同じ年の子と比べて、手先が不器用かもしれない」「じっと座っているのが苦手で、集団活動についていけない」「音や肌ざわりに敏感で、毎日の生活のあちこちでつまずいてしまう」——お子さんの発達の凸凹について、こうした悩みを抱える保護者の方は少なくありません。
あまり知られていませんが、発達障害やその特性が気になるお子さんも、状態や医師の判断によって小児訪問看護の対象となる場合があります。医師の指示書に基づいて、看護師や作業療法士(OT)などの専門職がご自宅に伺い、遊びを通じた発達支援や生活動作の練習を行う、原則として医療保険のサービスです。
この記事では、小児訪問看護とはどんなサービスか、発達障害のお子さんへの作業療法(OT)でできること、通所・外来と比べた「訪問」の強み、利用の流れまでを、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市で小児訪問看護を行うあおい訪問看護ステーションが解説します。
※2026年7月時点の情報です。最新の制度は公式情報をご確認ください。
小児訪問看護とは?発達障害のお子さんも対象になる
小児訪問看護とは、訪問看護ステーションの看護師やリハビリ専門職(作業療法士・理学療法士など)がご自宅に伺い、お子さんの健康管理や発達の支援、ご家族への相談対応を行うサービスです。「訪問看護=高齢者のもの」というイメージが強いのですが、実際には赤ちゃんから大人まで年齢を問わず利用できる制度で、子どもの訪問に対応している「子供の訪問看護ステーション」も地域に存在します。あおい訪問看護ステーションもその一つです。
対象となるのは、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要なお子さんだけではありません。自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、発達性協調運動症(DCD)などの発達障害、あるいは「診断はまだないが発達の凸凹が気になる」お子さんも、主治医が療養上の必要性を認めて指示書を交付した場合に、利用の対象となります。
利用の枠組みは、主治医(小児科・児童精神科など)が交付する「指示書」に基づく医療保険のサービスであることがポイントです。福祉サービスである児童発達支援(療育)とは制度が異なり、併用しながら使うこともできます。
なお、人工呼吸器や経管栄養など医療的ケアが必要なお子さんの在宅支援については、別記事「医療的ケア児の在宅支援|小児訪問看護でできること・相談先」で詳しく解説しています。
発達障害の子どもへの小児作業療法(OT)でできること
あおい訪問看護ステーションでは、作業療法士(OT)がご自宅に伺い、お子さん一人ひとりの特性に合わせた支援を行っています。作業療法士は、食事・着替え・遊び・学習といった「その人にとって意味のある活動(作業)」を通じてリハビリテーションを行う国家資格の専門職です。
遊びを通じた発達支援
子どもにとって、遊びは最高の学びの場です。小児OTでは、お子さんが「楽しい」「もっとやりたい」と感じられる遊びを入り口に、体の使い方や手先の動き、集中力、コミュニケーションの土台を育てることを目指します。
- ボール遊びやバランス遊びで、体幹や姿勢の安定を育てる
- 積み木・パズル・工作で、目と手の協調や指先の動きを引き出す
- 順番を待つ、ルールを守るなど、集団生活につながる経験を遊びの中で積む
「訓練」として押しつけるのではなく、お子さんの好きなこと・得意なことから始めて成功体験を積み重ね、自信(自己肯定感)につなげていくのが小児OTの考え方です。
手先の不器用さ・発達性協調運動症(DCD)へのアプローチ
「箸がうまく使えない」「ボタンの留め外しに時間がかかる」「字を書くのを嫌がる」「縄跳びや自転車がなかなかできない」——こうした極端な不器用さが生活や学習に影響している状態は、発達性協調運動症(DCD)として知られており、「子どもの不器用外来」のような専門外来を探される保護者の方も増えています。
まずお伝えしたいのは、不器用さは「わがまま」でも「練習不足」でも「やる気の問題」でもないということです。脳が体の動きを組み立てる過程のつまずきが背景にあると考えられており、本人が一番「うまくできない」ことに困り、自信をなくしがちです。叱ったり反復練習を強いたりするだけでは、かえって苦手意識を強めてしまうこともあります。
小児OTの訪問では、お子さんの動きのどこにつまずきがあるかを専門職の目で分析し、遊びを交えたスモールステップの練習や、道具・やり方の工夫(持ちやすい鉛筆や補助具の活用など)を、実際に生活しているご自宅で一緒に行います。専門外来への通院が難しい場合でも、自宅で専門職の支援を受けられる選択肢があることを、ぜひ知っていただければと思います。
感覚過敏・感覚の偏りへの対応
発達障害のあるお子さんには、音・光・肌ざわり・味やにおいなどへの感覚の過敏さ、あるいは逆に鈍さといった「感覚の偏り」がみられることがあります。掃除機の音で泣いてしまう、特定の服しか着られない、偏食が強い、爪切りや歯みがきを極端に嫌がる、などの形で日常生活に表れます。
小児OTでは、無理に慣れさせようとするのではなく、お子さんの感覚の特性を整理したうえで、次のようなアプローチを行います。
- 刺激の少ない環境づくりや、予告・見通しの工夫
- お子さんが受け入れやすい素材・道具への置き換え
- 遊びを通じて、心地よい感覚経験を少しずつ広げていく関わり
ご自宅での訪問だからこそ、実際に困りごとが起きている場面(食事・着替え・入浴など)に合わせた具体的な工夫を、ご家族と一緒に考えられます。
通所・外来と比べた「訪問」の強み
児童発達支援などの通所施設や病院の外来リハビリにもそれぞれ良さがありますが、「訪問」ならではの強みもあります。
- 実際の生活環境で練習できる:訓練室でできても家でできない、というギャップが起きにくく、いつもの食卓・いつもの椅子・いつもの道具で練習した内容が毎日の生活につながりやすくなります。
- 送迎・待ち時間の負担がない:仕事や下のお子さんの世話で送迎が難しいご家庭でも続けやすく、感覚が敏感で外出先や待合室が苦手なお子さんも、慣れた自宅なら力を発揮しやすくなります。
- 保護者がその場で相談できる:訪問中の様子を一緒に見ながら、「家ではこう関わってみてください」という具体的なヒントをその場でお伝えできます。育児の不安や園・学校との連携の悩みを話せる相手がいること自体が、ご家族の支えになります。
もちろん、療育や外来と訪問看護を組み合わせて利用することもできます。お子さんに合った組み合わせを一緒に考えますので、遠慮なくご相談ください。
利用の流れと費用の考え方
小児訪問看護は、次のような流れで利用を開始します。
- ご相談:保護者の方から直接、または小児科・児童精神科の主治医、保健師、相談支援事業所などを通じてご相談ください
- 主治医への指示書依頼:訪問看護の利用について主治医の了解を得て、指示書の交付を依頼します(手続きは当ステーションが調整します)
- 初回面談・契約:お子さんの様子やご家族の希望を伺い、訪問の頻度・曜日を相談して決めます
- 訪問開始:まずはお子さんと仲良くなるところから、無理のないペースで始めます
費用は医療保険が適用され、自己負担分についてはお住まいの市の子ども医療費助成制度の対象となる場合があります。自己負担の割合や助成の内容はお子さんの年齢・自治体・世帯の状況によって異なるため、個別の目安を事前に無料でご案内しています。お気軽にお問い合わせください。
対応エリア|船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市
あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市を中心に小児訪問看護・訪問リハビリを行っています。
- 船橋市:当ステーションが拠点を置く中心エリアです。市内の小児科・療育機関と連携しながら、発達が気になるお子さんのご自宅に伺います。
- 市川市:船橋市に隣接するエリアとして訪問に対応しています。市川市内の医療機関からのご紹介・連携のご相談も承っています。
- 鎌ケ谷市:同一グループの訪問介護「ヘルパーセンターオリーブ」がある地域で、グループとしてなじみの深いエリアです。看護・リハビリと生活支援をあわせてご相談いただけます。
- 白井市:千葉ニュータウンを含む子育て世帯の多いエリアです。近隣に小児対応の事業所が少なくお困りの場合も、まずはご相談ください。
- 習志野市:津田沼・谷津などのエリアを中心に訪問に対応しています。子育て世帯の多い地域として、発達に関するご相談を承っています。
上記以外の隣接地域についても、ご住所によっては対応できる場合があります。まずはお問い合わせください。
よくある質問
Q. 発達障害の診断がなくても利用できますか?
A. 診断名が確定していなくても、主治医が「発達の支援が必要」と認めて指示書を交付すれば、利用できる場合があります。「診断を受けるほどか分からないが、不器用さや落ち着きのなさが気になる」という段階でも、まずはご相談ください。主治医への相談の仕方からご一緒に考えます。(受け入れの詳しい条件は【要確認:自社運用】)
Q. 何歳から何歳まで対象ですか?
A. 制度上、訪問看護の利用に年齢の下限はなく、赤ちゃんから利用できます。就学後のお子さん(小学生以降)の利用についても、学校生活での困りごとに合わせた支援にも対応できる場合があります。(当ステーションで実際にお受けしている年齢層・受け入れ体制は【要確認:自社運用】)
Q. 精神科訪問看護との関係は?どちらを利用することになりますか?
A. 発達障害は精神科訪問看護の対象にも含まれており、児童精神科などの主治医の指示書により、精神科訪問看護の枠組みで利用するケースもあります。どちらの枠組みになるかは、主治医の判断やお子さんの状況によって異なりますので、個別にご案内します。精神科訪問看護の仕組みは、別記事「精神科訪問看護とは?対象・内容・利用の流れ」で詳しく解説しています。
まとめ:発達の凸凹は、自宅で専門職と一緒に支えられます
- 発達障害やその特性が気になるお子さんも、小児訪問看護の対象になる。医師の指示書に基づく医療保険のサービス
- 作業療法士(OT)が自宅に伺い、遊びを通じた発達支援、不器用さ(DCD)へのアプローチ、感覚過敏への対応を行う
- 不器用さは「わがまま」や「練習不足」ではない。外来に通わなくても、自宅で専門職の支援を受けられる選択肢がある
- 訪問なら、実際の生活の場で練習でき、送迎の負担がなく、保護者もその場で相談できる
- 療育・外来との併用も可能。診断前の段階でも、まず相談から始められる
お子さんの発達についての心配は、一人で抱え込まず、どうぞ私たちにお聞かせください。「うちの子も対象になる?」という段階のご質問も歓迎です。
対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市を中心
お電話(【電話番号】)またはお問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。
訪問で使っている遊び・教材の一例
あおい訪問看護ステーションでは、お子さんの興味や発達の段階に合わせて、こうした遊び・教材を用意して訪問しています。「訓練の道具」ではなく、お子さんが「やってみたい」と手を伸ばしたくなることを大切に選んでいます。




ここでご紹介したのは一例です。初回の訪問前にお子さんの好きなもの(キャラクター・色・遊び)を伺い、その子が楽しめる道具を考えて伺いますので、「うちの子は何に興味を持つか分からなくて…」という段階でも、どうぞそのままご相談ください。


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