「退院はできたけれど、自宅での生活リズムや薬の管理が続けられるか不安」「同居する家族として、どう接すればいいのか分からない」——こころの病気とともに地域で暮らすうえで、こうした不安を抱える方は少なくありません。
精神科訪問看護は、精神疾患のある方のご自宅に看護師などが定期的に伺い、その方らしい生活を続けられるように支えるサービスです。通院の合間の暮らしを支える「伴走者」として、ご本人だけでなくご家族の相談相手にもなります。
この記事では、精神科訪問看護の内容、対象となる方と利用条件、費用(自立支援医療による軽減)、利用の流れを解説します。船橋市・市川市エリアで利用を検討している方、連携先をお探しの医療機関の方の参考になれば幸いです。
※2026年7月時点の情報です。最新の制度は公式情報をご確認ください。
精神科訪問看護とは
精神科訪問看護は、精神科の主治医が交付する「精神科訪問看護指示書」に基づき、看護師等がご自宅を訪問して行う医療サービスです。
対象となるのは、統合失調症、うつ病・双極性障害、不安障害、依存症、発達障害など、精神疾患により地域での生活に支援が必要な方です。年齢の制限はなく、思春期の方から高齢の方まで利用されています。
身体の訪問看護と大きく違うのは、「治療」よりも「生活」に重心があることです。症状そのものだけでなく、睡眠・食事・服薬・人付き合い・金銭管理といった日々の暮らしを一緒に整え、再発や再入院を防ぐことを目指します。
精神科訪問看護で行う支援内容
訪問時間はおおむね30分〜1時間程度。ご本人のペースに合わせて、次のような支援を行います。
服薬の支援
- 飲み忘れ・飲みすぎを防ぐ仕組みづくり(お薬カレンダー等)
- 薬への不安や副作用の相談、主治医への橋渡し
- 「勝手にやめてしまう」を防ぐための、納得感を大切にした関わり
生活リズム・体調の支援
- 睡眠・食事・活動のリズムづくり
- 体調の変化(不眠・食欲低下など)の早期キャッチ
- 身体合併症(生活習慣病など)の健康管理
再発のサインへの対応(再発予防)
- ご本人と一緒に「調子を崩す前のサイン」を整理
- サインが出たときの対処をあらかじめ決めておく(クライシスプラン)
- 必要時は主治医・関係機関と連携して早めに手を打つ
対人関係・社会参加の支援
- 外出や買い物、通所先・就労への一歩を一緒に考える
- 障害福祉サービスや相談支援事業所との連携
ご家族への支援
- 病気の理解や接し方の相談
- 「家族だけで抱え込まない」ための窓口として、ご家族の休息(レスパイト)の視点も大切にします
なお、医療の広告ルール上も大切なことなので正直にお伝えすると、精神科訪問看護は「必ず良くなる」ことをお約束するものではありません。調子の波と付き合いながら、その方らしい生活を長く続けられるよう支えるサービスです。
利用条件と「精神科訪問看護指示書」
利用には、精神科・心療内科の主治医が交付する「精神科訪問看護指示書」が必要です。指示書は精神科を担当する医師のみが交付でき、通院先の主治医に相談すれば、手続きは訪問看護ステーションが調整します。
保険は原則として医療保険です。ポイントは次の通りです。
- 65歳以上で要介護認定を受けている方でも、精神科訪問看護指示書による訪問看護は医療保険が適用されます(介護保険の支給限度額を圧迫しません)
- ただし、主傷病が認知症の場合は精神科訪問看護の対象外となり、介護保険での訪問看護になります
- 医療保険の適用ルール全般は、記事「訪問看護は医療保険と介護保険どっち?」で詳しく解説しています
費用:自立支援医療で自己負担が原則1割に
精神科訪問看護には医療保険が適用され、自己負担は通常1〜3割です。さらに、自立支援医療(精神通院医療)を利用すると負担を大きく軽減できます。
- 通院による精神医療を続ける必要がある方の医療費(外来・薬・デイケア・訪問看護)が対象
- 自己負担は原則1割に軽減
- 世帯の所得に応じて1か月あたりの自己負担上限額が設定され、上限を超えた分の負担はありません
- 統合失調症など「重度かつ継続」に該当する場合は、上限がさらに低く設定されます
申請窓口はお住まいの市町村の障害福祉担当課です(船橋市・市川市とも市役所の障害福祉窓口で申請できます)。すでに自立支援医療を使って通院している方は、受給者証に訪問看護ステーションを追加する手続きをすれば訪問看護にも適用されます。手続きが不安な方は、私たちが一緒に確認しますのでご安心ください。
利用開始までの流れ
- 相談:ご本人・ご家族から直接、または通院先の主治医・精神保健福祉士・相談支援事業所を通じてご相談ください
- 主治医への確認:訪問看護の利用について主治医の了解を得て、指示書を依頼します(当ステーションが調整します)
- 初回面談・契約:ご希望を伺い、訪問の頻度・曜日を相談して決めます
- 利用開始:定期訪問スタート。無理のないペースで信頼関係をつくっていきます
「本人が乗り気でない」というご相談もよくあります。初回はご家族の相談から始める、短時間の顔合わせから始める、といった進め方もできますので、まずは状況をお聞かせください。
あおい訪問看護ステーションの精神科訪問看護(船橋・市川対応)
あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に精神科訪問看護を行っています。
- 精神科に対応した看護師が定期訪問し、主治医・関係機関と連携します
- 24時間365日の連絡体制があり、「調子が崩れそうで不安」なときの相談先になります(詳しくは記事「24時間365日対応の訪問看護とは」へ)
- 同一グループに訪問介護・居宅介護支援があり、生活面の支援が必要になった場合もワンストップでご相談いただけます
- 精神科クリニック・病院の先生方からのご紹介・連携のご相談も承っています
よくある質問
Q. 精神科訪問看護では何をしてくれますか?家事はお願いできますか?
A. 服薬支援、生活リズムづくり、体調・再発サインの確認、対人関係や社会参加の相談、ご家族の相談対応などを行います。掃除や調理などの家事代行は訪問看護のサービスには含まれません(必要な場合は訪問介護など別のサービスをご案内します)。
Q. 本人が「来てほしくない」と言っています。それでも利用できますか?
A. ご本人の同意なく無理に訪問することはありません。ただ、最初は「ご家族の相談」から始めて、少しずつご本人との接点をつくっていけるケースも多くあります。関わり方から一緒に考えますので、まずはご家族だけでもご相談ください。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 医療保険の自己負担(1〜3割)がかかりますが、自立支援医療(精神通院医療)を利用すると原則1割になり、所得に応じた月額上限も設けられます。生活保護を受給されている方など、負担が生じない場合もあります。個別の目安は無料でご案内しています。
まとめ
- 精神科訪問看護は、こころの病気のある方の「地域での暮らし」を支える医療サービス
- 服薬支援・生活リズム・再発予防・家族支援が柱。「生活の伴走者」のイメージ
- 精神科の主治医による指示書が必要で、原則医療保険。自立支援医療で自己負担は原則1割に軽減
- 要介護認定があっても医療保険で利用でき、介護保険の限度額を使わない
ご本人からのご相談はもちろん、「家族としてどうしたらいいか」というご相談も歓迎です。精神科の医療機関様からの連携・ご紹介のご相談もお待ちしています。
対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心 お電話(050-5536-3136)またはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

