要介護認定の結果が出て、いよいよ介護サービスを使い始めよう——そのときに必ず登場するのが「ケアプラン」という言葉です。「ケアプランがないとサービスは使えません」と言われて戸惑った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ケアプランとは何か、誰がどうやって作るのか、作成からサービス開始までの流れ、そしてケアプランを依頼する「居宅介護支援事業所」の選び方まで、初めての方向けに順を追って解説します。自分で作る「セルフプラン」との違いにも触れます。
※本記事は2026年7月時点の情報です。最新の制度は厚生労働省やお住まいの市の公式情報をご確認ください。
ケアプランとは?介護サービス利用の「設計図」
ケアプラン(介護サービス計画書)とは、「どんな生活を目指して、どの介護サービスを、いつ・どのくらい利用するか」をまとめた計画書です。介護保険のサービスは、原則としてこのケアプランに位置づけられた内容にもとづいて提供されます。
ケアプランには大きく3つの種類があります。
| 種類 | 対象 | 作成の中心 |
|---|---|---|
| 居宅サービス計画 | 要介護1〜5で在宅の方 | 居宅介護支援事業所のケアマネジャー |
| 介護予防サービス計画 | 要支援1・2の方 | 地域包括支援センター |
| 施設サービス計画 | 介護保険施設に入所中の方 | 施設のケアマネジャー |
この記事では、在宅で暮らす要介護の方の「居宅サービス計画」を中心に説明します。
大切なポイントは、ケアプラン作成(居宅介護支援)は介護保険から全額給付され、利用者の自己負担が原則ないことです。費用を心配して依頼をためらう必要はありません。ケアマネジャーの役割全体については、関連記事「ケアマネジャーとは」もあわせてご覧ください。
ケアプラン作成〜サービス開始までの流れ
ケアマネジャーに依頼した場合、おおまかに次の流れで進みます。
1. 居宅介護支援事業所と契約する
まず、ケアプラン作成を依頼する居宅介護支援事業所を選び、契約します。あわせて「どの事業所にケアプランを依頼するか」を市に届け出ます(届出は通常、事業所が代行してくれます)。
2. アセスメント(課題の把握)
担当ケアマネジャーが自宅を訪問し、心身の状態・生活環境・本人と家族の希望を聞き取ります。「何に困っているか」「どんな生活を続けたいか」を率直に伝えることが、良いプランづくりの出発点です。
3. ケアプラン原案の作成
聞き取った内容をもとに、目標と利用サービスの組み合わせ(例:訪問介護を週2回、訪問看護を週1回、デイサービスを週1回など)の原案を作ります。
4. サービス担当者会議
本人・家族と、利用予定のサービス事業者が集まり、プラン内容を確認・調整する会議です。疑問や不安はここで遠慮なく質問しましょう。
5. ケアプランの同意・交付、サービス開始
内容に同意して署名すると、ケアプランが確定し、各サービスが始まります。
6. モニタリング(毎月の見直し)
開始後も、ケアマネジャーが月1回程度自宅を訪問し、体調や生活の変化に合わせてプランを調整していきます。
居宅介護支援事業所の選び方
ケアプランの質は、依頼する居宅介護支援事業所・担当ケアマネジャーによって変わります。選ぶときは次の点をチェックしてみてください。
- 自宅から近いか・対応エリア内か:訪問や緊急時対応のフットワークに関わります
- 相談への対応が丁寧か:初回の電話や面談で、話をよく聞いてくれるか
- 医療との連携力:持病のある方、退院直後の方、医療処置が必要な方は、主治医・訪問看護と日頃から連携している事業所が安心です
- 土日や緊急時の連絡体制:連絡が付く時間帯・方法を確認
- 併設・連携サービス:訪問看護や訪問介護と同一グループの事業所は、サービス間の情報共有が速いという強みがあります
複数の事業所に問い合わせて比べても構いません。契約後に合わないと感じたら変更もできます(関連記事「ケアマネジャーは変更できる?」参照)。
セルフプラン(自己作成)との違い
ケアプランは、実はケアマネジャーに依頼せず本人や家族が自分で作成することもできます。これを「セルフプラン(自己作成)」と呼び、作成したプランをあらかじめ市の窓口に届け出て確認を受ければ、通常と同じように1〜3割負担で介護保険サービスを利用できます。
ただし、ケアマネジャー依頼とセルフプランでは、かかる手間が大きく異なります。
| 項目 | ケアマネジャーに依頼 | セルフプラン |
|---|---|---|
| 費用 | 自己負担なし | 自己負担なし(作成の手間は自分持ち) |
| プラン作成・書類 | ケアマネジャーが作成 | 自分で作成し市に届出 |
| サービス事業者との調整 | ケアマネジャーが調整 | 自分で事業者を探し交渉 |
| 毎月の給付管理・手続き | 事業所が実施 | 市とのやり取りを自分で行う |
| 専門的な助言 | 受けられる | 基本的に自分で情報収集 |
セルフプランは「サービスの組み立てを自分の裁量で決められる」という考え方から制度上認められているものですが、単位数の計算や毎月の実績確認など事務負担が大きく、一般的にはケアマネジャーへの依頼が現実的です。費用負担は依頼してもしなくても変わらないため、「お金がかかるから自分で」という理由で選ぶ必要はありません。
ケアプラン見直しのタイミング
ケアプランは一度作ったら終わりではありません。次のようなときは、遠慮せずケアマネジャーに見直しを相談しましょう。
- 体調や介護度が変わった(入退院、転倒、認知症状の進行など)
- 介護する家族の状況が変わった(仕事、同居家族の変化など)
- 今のサービスが合わない・回数を増やしたい/減らしたい
- 新しい困りごとが出てきた(夜間の不安、通院の付き添いなど)
状態が大きく変わった場合は、要介護度の区分変更申請という方法もあります(関連記事「要介護認定の申請方法」参照)。
よくある質問
Q. ケアプランがないと介護保険サービスは使えないのですか?
A. 原則として、居宅サービスはケアプランに位置づけて利用します。事前の届出やプランがない状態で利用すると、いったん全額を支払い後から払い戻しを受ける「償還払い」になる場合があります。まずはケアマネジャーか地域包括支援センターにご相談ください。
Q. ケアプランの内容に納得できないときは?
A. ケアプランは本人・家族の同意があって初めて確定します。疑問があれば同意の前に修正を依頼できますし、開始後の変更も可能です。担当者に言いにくい場合は、事業所の管理者や地域包括支援センターに相談する方法もあります。
Q. 要支援と判定された場合もケアプランは必要ですか?
A. 必要です。要支援1・2の方は「介護予防サービス計画」を地域包括支援センターが中心となって作成します。まずはお住まいの地区の地域包括支援センターにご連絡ください。
まとめ|ケアプランづくりは「相談」から始まります
- ケアプランは介護サービス利用の設計図。原則これにもとづいてサービスが提供される
- 作成はケアマネジャー(居宅介護支援事業所)に依頼でき、利用者負担は原則なし
- 流れは「契約→アセスメント→原案→担当者会議→同意→開始→毎月の見直し」
- セルフプランも制度上可能だが、事務負担が大きくケアマネジャー依頼が一般的
当ステーションを運営するグループのあおいケアプランセンター・あやめケアプランセンターでは、訪問看護・訪問介護と同一グループの強みを生かし、医療的ケアが必要な方のケアプランもご相談いただけます。「まだ何も決まっていない」段階からで大丈夫です。まずはお気軽にご相談ください。
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