シックスパッド フットフィットを訪問リハビリで使う4つの約束

座ったまま足の筋肉を動かす家庭用EMS|あおい訪問看護ステーション

立って運動するのが難しい方にも、座ったまま足の筋肉を動かせる家庭用EMS機器(健康増進機器)があります。あおい訪問看護ステーションでは、主治医に確認したうえで、理学療法士や看護師が付き添い、運動と組み合わせて取り入れています。この記事では、シックスパッド フットフィットを例に、どんな機器か、使えない方は誰か、訪問で使うときの約束をまとめます。

※医療機器ではありません。感じ方や続けやすさには個人差があります。

この記事で分かること

  • フットフィットがどんな機器か(医療機器ではないことの意味)
  • 使えない方・医師に相談してから使う方
  • 訪問看護のリハビリで使うときの4つの約束
目次

シックスパッド フットフィットとは|座ったまま足を乗せて使う家庭用EMS

シックスパッド フットフィットは、椅子に座って足を乗せて使う家庭用のEMS機器です。EMSとは、電気の刺激で筋肉を動かす機器のことです。医療機器ではありません。

椅子に座った方が、足置き型の家庭用EMS機器に素足を乗せている様子

電気で、ふくらはぎ・前すね・足裏の筋肉を動かす

メーカーのシックスパッド フットフィット3 取扱説明書(PDF)には、本品の目的が書かれています。ふくらはぎ、前すね、足裏の筋肉を電気刺激でトレーニングする機器です。あわせて「医療機器ではありません」と明記されています。

テレビを見ながらなど、座ったまま足を乗せて使える手軽さが特徴です。

「医療機器ではない」とはどういうことか

医療機器は、病気の診断や治療などに使う製品です。国の法律にもとづき、リスクの程度に応じた手続きを経て世に出ます。リスクの高い医療機器は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認審査で品質・有効性・安全性が確かめられます。

フットフィットは、こうした医療機器ではなく、健康づくりのための機器です。そのため、この記事では病気や症状に対する働きは書きません。お手元の機器が医療機器かどうかは、PMDAの医療機器 添付文書等情報検索で製品名から調べられます。

電気で筋肉が動くことと、自分で歩くことは別

「座ったままで歩く力がつくのでは」と期待されることもあります。ただ、電気で筋肉が動くことと、自分の意思で足を動かして立つ・歩くことは別の動きです。

当ステーションでは、EMSを運動の代わりとは考えていません。立ち上がりや歩行の練習と組み合わせる道具の一つとして扱います。

座ったまま使うEMSは、こんな方の運動の選択肢の一つ

フットフィットは、立って行う運動が難しい方の「運動の選択肢を増やす道具」になりえます。ただし、使う理由と目的は、ご本人の状態に合わせて主治医・リハビリ職と一緒に決めます。

立つ運動・歩く練習の前後に、座ってできることを増やしたい方

厚生労働省のアクティブガイド2023は、座りっぱなしを避けることを呼びかけています。個人差をふまえ、できることから取り組む姿勢も示しています。

長く立っていられない方でも、座ったまま足の筋肉を動かす時間は作れます。そのひとつとして、EMSを使う選択肢があります。

筋力トレーニングを自分の体で行うことが基本

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 推奨シート(高齢者版)では、筋力・バランス・柔軟性などを組み合わせた運動がすすめられています。あわせて、強度や量を個人に合わせて調整し、可能なものから取り組むことも書かれています。

EMSは、こうした運動を補うものです。自分の体で足を動かす練習を、主役から外さないことが大切です。

選択肢に入れる前に確かめること

次の点がそろうかどうかを、事前に確かめます。

確かめること理由
主治医が使ってよいと判断しているか使えない方・医師に相談が必要な方がいるため
椅子に安定して座れるか座ったまま足を乗せて使う機器のため
ご本人が使い方を理解し、嫌なときに止められるか取扱説明書を理解できない方は使えないため
足裏やふくらはぎに傷や皮膚のトラブルがないか該当すると使えないため

フットフィットを使えない方・医師に相談してから使う方

取扱説明書には、使ってはいけない方と、医師に相談のうえ使う方がはっきり書かれています。介護を受けている方は、医師に相談してから使う方に含まれます。訪問看護を利用している方は、まず主治医への確認から始めます。

使ってはいけない方

フットフィット3 取扱説明書(PDF)の「使用してはいけない方」には、次の方が挙げられています。

  • ペースメーカーなど、体内に植え込む医用電気機器を使っている方(使用中の方の脚に触れることもできません)
  • 心臓の病気がある方、その疑いがある方
  • 医師から運動やEMS機器の使用を止められている方
  • 静脈血栓症(脚の静脈に血のかたまりができる病気)の方、その疑いがある方
  • 脚にボルトなどの金属を埋め込んでいる方
  • 足裏やふくらはぎに傷や皮膚の病気などがある方
  • 妊娠中・出産直後の方
  • 取扱説明書の内容を理解できない方
  • お酒を飲んでいる方
  • 38℃以上の熱がある方

ご家族が使うときも同じです。ペースメーカーを使っている方が同居している場合、使用中の方の脚に触れないよう気をつけます。

医師に相談してから使う方

同じ取扱説明書では、次のような方は医師に相談のうえで使うよう求めています。

医師に相談が必要な方(主なもの)
悪性腫瘍のある方
心臓の病気にかかったことがある方
糖尿病などで、手足の感覚が分かりにくくなっている方
てんかんなど、脳神経に異常を感じている方
骨粗しょう症など、骨に異常のある方
脚の骨折・ねんざなど、急な痛みのある方
血圧に異常がある方
脚にけがや手術をしたことがある方
介護を受けている方

このほかにも項目があります。全体は取扱説明書でご確認ください。

強さは弱いところから、違和感があればすぐ止める

電気の刺激は、思ったより強く感じることがあります。強さは弱いところから始め、ご本人が心地よいと感じる範囲にとどめます。

製品評価技術基盤機構(NITE)の事故情報特記ニュースは、EMS機器について注意を呼びかけています。取扱説明書の時間内で使うこと、強さを上げすぎないこと、痛みなどの異常を感じたらすぐやめることです。

訪問看護のリハビリでフットフィットを使うときの4つの約束

訪問で家庭用EMSを使うときは、次の4つを約束にしています。ご本人とご家族、担当のケアマネジャーとも共有します。

スタッフが椅子に座った方の足元を見ながら、家庭用EMSを使う前の状態を確かめている様子

約束1:主治医に使ってよいか確認する

訪問看護は、主治医の指示にもとづいて行うサービスです。介護サービス情報公表システムの訪問看護の説明にも、その仕組みが書かれています。

そのため、家庭用EMSを使う前にも、主治医に確認します。確認の結果、使わないと決まることもあります。

約束2:理学療法士や看護師が付き添う

最初は理学療法士や看護師が付き添い、取扱説明書に沿って使い方を確かめます。座る姿勢、足の置き方、強さの合わせ方を、ご本人と一緒に見ていきます。

使う前後には、顔色や体調の変化、足の皮膚の状態も確認します。

約束3:立ち上がりや歩行の練習と組み合わせる

訪問看護計画では、EMSは運動を補うものとして位置づけます。座ったまま足の筋肉を動かしたあとに、立ち上がりや歩行の練習を行う、といった組み合わせを考えます。

家庭用EMSを使ったあと、スタッフが見守る中で机に手を添えて椅子から立ち上がる練習をしている様子
家庭用EMS(フットフィット)立ち上がり・歩行の練習
体の使い方電気の刺激で筋肉が動く自分の意思で足を動かす
姿勢座ったまま立つ・歩く
計画での扱い運動を補うものリハビリの中心
一緒に確認すること強さ・時間・皮膚の状態ふらつき・痛み・転倒への備え

訪問看護のリハビリと訪問リハビリの違いは、訪問リハビリと訪問看護のリハビリの違いで解説しています。

約束4:続け方を一緒に決め、見直す

使う時間帯や回数は、取扱説明書の範囲で、ご本人の生活に合わせて一緒に決めます。テレビを見ながらなど、続けやすい場面を探します。

ご家族だけで使う日が出てくる場合は、注意点を担当者と一緒に確認しておきましょう。体調や生活の変化に合わせて、使い方は訪問のたびに見直します。機器の用意の仕方は、事前にご相談ください。

よくある質問

Q1. 親への贈り物にしようと思っています。先に何を確認すればよいですか?

贈る前に、取扱説明書の「使用してはいけない方」に当たらないかを確かめてください。介護を受けている方は医師への相談が必要です。主治医に使ってよいかを確認してから贈ると安心です。

Q2. 座ったまま使うだけで、歩けるようになりますか?

電気で筋肉が動くことと、自分で足を動かして歩くことは別の動きです。当ステーションでは、EMSを立ち上がりや歩行の練習と組み合わせる道具の一つとして扱います。

Q3. 訪問看護のリハビリで、手持ちのフットフィットを使ってもらえますか?

主治医の確認がとれ、使えない方に当たらない場合に、訪問看護計画に入れるかを相談します。訪問看護の費用の目安は、訪問看護の料金と自己負担をご覧ください。

Q4. 使っている途中で痛みや違和感が出たら、どうすればよいですか?

すぐに使うのをやめてください。そのうえで、担当の看護師・理学療法士、または主治医にご相談ください。

※2026年10月時点の情報です。製品の仕様や注意事項は、最新の取扱説明書でご確認ください。

座ったままの運動について、まずはご相談ください

あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市を訪問しています。看護師・理学療法士・作業療法士が、主治医や担当のケアマネジャーと連携してリハビリを行います。家庭用EMSを取り入れたいときも、まずはお問い合わせください。

(CTA:お問い合わせボタン)

※医療機器ではありません。感じ方や続けやすさには個人差があります。

参考リンク(公式ページ)

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この記事を書いた人

金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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