訪問看護を始めるとき、指示書って誰が頼むの? 流れを図でやさしく解説

訪問看護を始めるとき、指示書って誰が頼むの?|あおい訪問看護ステーション

訪問看護指示書は、主治医が「訪問看護が必要」と判断して書く書類です。依頼の連絡は、多くの場合、訪問看護ステーションから主治医の医療機関へ入れます。ご本人・ご家族・ケアマネジャーの役割は、「訪問看護を使いたい」と主治医・ケアマネジャー・ステーションのどこかへ伝えるところからです。

この記事では、次のことが分かります。

  • 訪問看護指示書とは何か、なぜ必要なのか
  • 誰が・何をするのか(役割の表)
  • 相談から訪問開始までの5ステップ
  • 退院するときの段取り
  • 指示書の有効期間と費用
  • 船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市の相談先

※2026年10月時点の情報です。最新の制度は公式情報をご確認ください。

目次

訪問看護指示書とは? 主治医の指示で訪問看護は始まります

訪問看護は、主治医の指示にもとづいて行うサービスです。その指示を文書にしたものが訪問看護指示書です。指示書がないと、訪問看護は始められません。

家族が自宅で電話をかけ、訪問看護の利用を相談しながらメモを取っている様子

訪問看護は「主治医の指示」にもとづくサービス

訪問看護では、看護師などがご自宅を訪ね、療養上の世話や診療の補助(=医師の指示のもとで行う医療的な処置)を行います。介護サービス情報公表システムの訪問看護の解説でも、主治医の指示に基づいて行うサービスとして説明されています。

介護保険でも医療保険でも、指示書が要ります

訪問看護は、介護保険で使う場合と医療保険で使う場合があります。どちらの場合も、ステーションは主治医の指示を文書で受けてから訪問を始めます。

介護保険のルールは指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第69条に定められています。医療保険のルールは指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準の第16条です。どちらにも「提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない」とあります。

指示書は「ステーション宛て」に書かれます

訪問看護指示書は、主治医から訪問看護ステーションへ交付される書類です。ご本人の手元に届く書類ではありません。医療機関は、ご本人の同意を得たうえで、ご本人が選んだステーションに交付します。ですから、どのステーションを使うかは、ご本人・ご家族が選べます。

まとめると、指示書は「主治医→ステーション」の書類です。ご本人・ご家族は、使いたいステーションを決めて伝えることが大切です。

訪問看護指示書は誰が頼む? 4者の役割を表で整理

指示書の依頼は、ステーションから主治医へ行うことが多いです。ただし、話を始めるのは誰からでもかまいません。

「使いたい」は誰から言い出してもよい

全国訪問看護事業協会の「訪問看護を利用する方」のページでは、利用したいときの相談先として、かかりつけ医・ケアマネジャー・近くの訪問看護ステーションの3つを挙げています。ご本人やご家族が直接ステーションへ電話しても大丈夫です。

現場でよく聞くのは、こんな声です。

> 「ケアマネさんに頼めばいいの? それとも先生に言うの?」

答えは「どちらでも始められる」です。窓口がどこでも、最後は主治医の判断と指示書につながります。

誰が・何をするか(役割の表)

ご本人・ご家族やケアマネジャーが訪問看護を使いたいと伝え、ステーションが主治医へ依頼し、主治医が必要性を判断して訪問看護指示書をステーションへ交付する関係を示した図
立場主な役割ポイント
ご本人・ご家族「訪問看護を使いたい」と伝える。使うステーションを選ぶ。契約を結ぶ主治医の名前と医療機関名を控えておくと話が早く進みます
ケアマネジャー(=介護保険のケアプランを作る専門職)ケアプランに訪問看護を入れる。ステーションや主治医と連絡を取り合う必要性を判断して指示を出すのは主治医です。ケアマネジャーが医師に指示するわけではありません
主治医診察にもとづいて訪問看護の必要性を判断する。訪問看護指示書を書く指示書の作成・交付は医療機関の役割です
訪問看護ステーション主治医へ指示書を依頼する。計画を立てて訪問する。計画書・報告書を主治医へ出す依頼の連絡を入れるのはステーションであることが多いです

ケアマネジャーは「つなぐ役」、判断するのは主治医

ケアマネジャーから主治医に「訪問看護を使えないか」と相談することはあります。ただし、訪問看護が必要かどうかを医学的に判断し、指示を出すのは主治医です。ケアマネジャーやステーションは、生活の様子や困りごとを主治医へ伝える役割です。

医療機関によって段取りが違うこともあります

指示書の依頼方法は、医療機関ごとに異なる場合があります。受診のときに本人から相談してほしい医療機関もあります。決まった書式での依頼を求める医療機関もあります。迷ったら、ステーションかケアマネジャーに「どう頼めばよいか」を聞いてみてください。

役割をまとめると、「伝えるのは誰でも」「判断と指示書は主治医」「依頼の連絡はステーションが多い」です。

訪問看護を始めるまでの流れ【5ステップ】

訪問看護は、相談→主治医の了承→指示書の交付→契約・計画→訪問開始、の順で始まります。

5ステップの流れ

訪問看護は、相談、主治医の了承、指示書の交付、契約と計画、訪問開始の5つのステップで始まることを示した流れ図
ステップやること主に動く人
①相談「訪問看護を使いたい」と伝えるご本人・ご家族・ケアマネジャー
②主治医の了承主治医が必要性を判断する主治医
③指示書の交付ステーションが依頼し、主治医が指示書を書くステーション・主治医
④契約・計画契約を結び、訪問看護計画を立てるご本人・ご家族・ステーション
⑤訪問開始計画にそって訪問する。計画書・報告書を主治医へ出すステーション

介護保険で使うときは、ケアプランへの位置づけも

介護保険で訪問看護を使う場合は、要介護認定を受け、ケアプランに訪問看護を入れます。介護サービス情報公表システムの「サービス利用までの流れ」では、認定の申請からケアプランの作成、サービス開始までが順に説明されています。

要介護認定がまだの方は、お住まいの市で申請します。船橋市の場合は船橋市の「要介護・要支援認定の申請」に窓口と必要書類がまとまっています。申請の前に、主治医へ相談しておくよう案内されています。

契約の前に確認しておきたいこと

契約のときによく出る質問は、こんな内容です。

> 「週に何回来てもらえるの?」「お金はどれくらい?」

回数や料金は、保険の種類や状態によって変わります。料金の目安は訪問看護の料金と自己負担の解説にまとめています。初回の相談で準備しておくと話が早いものは、訪問看護へ依頼する前に揃える9項目を見てください。

訪問が始まってからも、主治医との連携は続きます

ステーションは訪問看護計画書と訪問看護報告書を主治医へ提出します。これは介護保険の基準の第69条にも書かれています。訪問中に気づいた変化は、ステーションから主治医へ伝えます。

流れの中で、ご家族が動くのは主に①と④です。指示書の依頼そのものは、ステーションに任せてかまいません。

退院するときの訪問看護指示書の流れ

入院中から相談を始めると、退院した日から訪問看護を使いやすくなります。

退院前に、退院後の主治医、使う訪問看護ステーション、要介護認定、ケアマネジャー、必要な処置や薬の情報を確認することを示したチェックリスト
入院中の方と家族、看護師がベッドサイドで退院後の訪問看護について話し合っている様子

退院前に「訪問看護を使いたい」と伝えておく

退院が決まりそうになったら、病院の担当者やケアマネジャーに「家に帰ってから訪問看護を使いたい」と伝えてください。ステーションの看護師が病院に出向き、主治医や病院の職員と一緒に、在宅療養に必要な指導を行う仕組みもあります。訪問看護療養費の算定に関する留意事項には、退院時の共同指導や、退院日の指導についての決まりがあります。

退院後の主治医が誰かを確認する

指示書を書くのは、ご本人の診療を担う医療機関の主治医です。退院後に病院へ通い続けるのか、地域のかかりつけ医に移るのかで、指示書を書く医師が変わることがあります。退院前に確認しておくと安心です。

退院前のチェックリスト

  • □ 退院後の主治医(病院の医師/かかりつけ医)は決まっているか
  • □ 使いたい訪問看護ステーションは決まっているか
  • □ 要介護認定を受けているか(受けていなければ申請するか)
  • □ ケアマネジャーは決まっているか
  • □ 退院日と、退院後に必要な処置・薬の情報を病院から聞いているか

退院のときは段取りが重なります。「退院後の主治医」と「使うステーション」の2つを先に決めると、指示書の流れがスムーズです。

訪問看護指示書の有効期間と費用

指示書には有効期間があり、その期間内の訪問が対象です。指示書の費用は、指示書を書いた医療機関でかかります。

有効期間は6か月が上限

医療保険の訪問看護では、指示書に書かれた有効期間内の訪問が対象になります。この有効期間は6か月以内です(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(医科点数表・PDF))。1か月の指示であれば、指示書に有効期間を書かなくてもよいことになっています。続けて利用する場合は、期間が切れる前に新しい指示書が必要です。更新の依頼も、ステーションから主治医へ行うことが多いです。

指示書の費用は医療機関で支払います

指示書を書くと、医療機関は「訪問看護指示料」という診療報酬を算定します。診療報酬の算定方法の一部を改正する件(医科点数表・PDF)のC007に定められ、患者1人につき月1回に限り算定します。退院するときに1回、自宅で療養している間は月1回までです。

診療報酬の一つなので、ふだんの受診と同じく、医療保険の負担割合に応じた支払いが医療機関で生じます。訪問看護ステーションへ払う料金とは別です。金額は、医療機関の窓口で確認してください。最新の診療報酬は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」に掲載されています。

有効期間と費用のまとめ

項目内容
有効期間指示書に書かれた期間。6か月が限度
続けて使うとき新しい指示書が必要
指示書の費用医療機関が「訪問看護指示料」を算定。月1回まで
支払う場所指示書を書いた医療機関
ステーションの料金指示書の費用とは別

有効期間の管理と更新の依頼は、ステーションが担うことが多いです。ご家族は「指示書の費用は病院・診療所で払う」と覚えておくと安心です。

特別訪問看護指示書・精神科訪問看護指示書もあります

ふだんの訪問看護指示書のほかに、状況に応じた指示書があります。ここでは名前と役割だけ紹介します。

特別訪問看護指示書

病状が急に悪くなったときなど、一時的に頻回の訪問が必要と主治医が判断したときの指示書です。交付の日から14日が限度です。詳しくは特別訪問看護指示書の解説をご覧ください。

精神科訪問看護指示書

精神疾患のある方の訪問看護では、精神科を担当する主治医が書く精神科訪問看護指示書を使います。依頼の手順は精神科訪問看護の依頼方法で説明しています。

指示書を書いてもらえないときは

主治医が指示書を書かない理由はさまざまです。病状の見立てや、通院の状況などが関わることもあります。まずはステーションやケアマネジャーに相談してください。考え方と相談の順番は訪問看護指示書を書いてくれないときにまとめています。

指示書の種類が違っても、「主治医が判断して書く」という点は同じです。

訪問看護指示書のことで迷ったときの相談先(船橋市など5市)

どこに相談すればよいか分からないときは、お住まいの市の地域包括支援センター(=高齢者の総合相談窓口)も使えます。

地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。厚生労働省「地域包括ケアシステム」のページで役割が説明されています。

市窓口の名前
船橋市船橋市地域包括支援センター
市川市市川市高齢者サポートセンター
鎌ケ谷市鎌ケ谷市の介護等に関する相談窓口
白井市白井市の地域包括支援センター
習志野市習志野市の高齢者相談センター

訪問看護ステーションを探す・制度を聞く

近くのステーションは介護サービス情報公表システムで探せます。この仕組みの説明は厚生労働省「介護サービス情報の公表制度」にあります。制度の疑問は、日本訪問看護財団の「制度等に関する相談・助言」でも受け付けています。

あおい訪問看護ステーションへのご相談

あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市・習志野市を訪問しています。看護師と理学療法士・作業療法士がチームで伺います。「使えるか分からない」「主治医にどう話せばいいか分からない」という段階からご相談ください。指示書の依頼は、主治医の医療機関へステーションから連絡します。

よくある質問

Q1. 訪問看護指示書は、家族が病院へもらいに行くものですか?

A. いいえ、多くの場合は違います。指示書は主治医から訪問看護ステーションへ交付される書類です。依頼の連絡はステーションから入れることが多いです。ただ、医療機関によっては受診時に本人から相談してほしいと言われることもあります。

Q2. ケアマネジャーが主治医に指示書を書くよう指示するのですか?

A. いいえ。訪問看護が必要かを判断し、指示書を書くのは主治医です。ケアマネジャーは生活の様子を伝え、ケアプランに訪問看護を入れる役割です。

Q3. 訪問看護指示書の有効期間はどれくらいですか?

A. 指示書に書かれた期間が有効期間で、6か月が限度です。続けて利用するときは、新しい指示書が必要になります。

Q4. 指示書の費用はどこで払いますか?

A. 指示書を書いた医療機関で払います。医療機関が「訪問看護指示料」を算定し、医療保険の負担割合に応じた支払いが生じます。訪問看護ステーションの料金とは別です。

Q5. 介護保険で訪問看護を使う場合も、指示書は要りますか?

A. はい、要ります。介護保険でも医療保険でも、ステーションは主治医の指示を文書で受けてから訪問を始めます。

参考リンク(公式ページ)

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この記事を書いた人

金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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