船橋市の医療的ケア児在宅レスパイト事業|ご紹介の手順と対象になる5要件

船橋市の医療的ケア児在宅レスパイト事業の紹介手順を解説する記事のアイキャッチ。チェック済みの申請書と取り次ぎを表す矢印

船橋市の「医療的ケア児在宅レスパイト(家族の休息)事業」は、令和8年7月1日に始まった新しい事業です。ご紹介いただく立場の方に必要な情報だけをまとめました。まず要点を5行で置きます。

  • 対象:船橋市内にお住まいで、0歳から18歳になった年度の3月31日までのお子さん。かつ訪問看護をご利用中であること
  • ご家族の負担:1年度あたり48時間まで。自己負担は1時間300円(生活保護世帯・市町村民税所得割非課税世帯は0円)
  • ご紹介くださる皆さまにお願いすること:ご家族へ制度があることをお伝えいただき、当ステーションへお取り次ぎいただくところまでです。制度のご説明、申請書のお預かり、市への提出は当ステーションで行います
  • 訪問看護をまだご利用でない方:この事業は訪問看護の利用が入口です。その段階のご相談もお受けします
  • ご連絡先:あおい訪問看護ステーション 050-5536-3136(お子さんのお名前はイニシャルでお伝えください)

以降で、対象要件・使える場面・時間と費用・手続きの流れを順にご説明します。掲載内容は2026年8月時点のものです。

目次

ご紹介の候補になるお子さん|対象は5つの要件をすべて満たす方

対象かどうかは、5つの要件で判断できます。すべてを満たすことが条件です。判断に迷う段階でご連絡いただいて構いません。

5要件のチェックリスト

#要件確認のポイント
1船橋市内に住所がある市外にお住まいの方はこの事業の対象外です
20歳から18歳になった年度の3月31日まで18歳の誕生日を迎えても、その年度内は対象です(高校3年生の学年の終わりまで)
3在宅で、同居家族または介護者による看護・介護を受けて生活している施設入所中ではないこと
4医師の訪問看護指示書による医療的ケアを必要としている主治医の指示書があること
5訪問看護により医療的ケアを受けているここが入口条件です。指示書があるだけでは対象になりません

5番が見落とされやすい要件です。訪問看護をまだ導入していないお子さんは、現時点では対象になりません。

市が想定している医療的ケア

船橋市が現時点で想定しているのは、気管切開、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引(=たんの吸引のこと)、酸素療法、経管栄養、導尿などです。

これ以外のケアも、訪問看護指示書の内容などを確認して総合的に判断し、対象となる場合があります。市も「該当するか不安な場合は申請前に相談を」と案内しています。排泄介助や体位交換といった療養上の世話も対象です。

つまり、リストに完全に当てはまらないという理由でご紹介を止める必要はありません。

訪問看護の利用が入口です(まだ使っていない場合)

要件5を満たしていないケースでも、ご相談自体はお受けできます。訪問看護の導入から順にご案内します。

訪問看護の利用開始には主治医の訪問看護指示書が必要です。退院前カンファレンスの段階からご相談いただくと、退院後の生活と合わせて組み立てやすくなります。

どんな場面で使えますか|自宅の外でも利用できます

この事業は自宅に限定されていません。ご家族の生活場面に合わせて使えるのが特徴です。市の公式Q&Aが挙げている例を、そのままご紹介します。

自宅での利用

ご家族が休息をとるための時間として使えます。自宅で使う場合は、医療保険の適用を超える利用に限られます。いつもの訪問看護の枠が置き換わるわけではありません。

なお、看護を伴わない見守りのみは対象外です。ここは期待とずれやすいので、ご家族にお伝えいただく際にも添えていただけると助かります。

病院受診の付き添い

市は自宅以外の利用例として、病院受診の付き添いを挙げています。呼吸器や吸引器を持って移動し、待ち時間の吸引にも対応する——この負担を看護師が担う使い方です。

遠足・校外学習などの学校行事

遠足や校外学習などの学校行事で、学校看護師の付き添いが確保できない場合も、市が利用例として挙げています。

ただし、学校等での提供の可否は通学先の学校への事前相談が前提です。学校の考え方によっては受けられない場合があります。行事は日程が先に決まるため、予定が出た段階で学校と当ステーションの両方にご相談いただくのが確実です。

きょうだいの行事のための単独利用

通常の訪問看護がない日に、この事業だけを単独で利用することもできます。市のQ&Aは、きょうだいの行事参加を例として挙げています。

上のお子さんの運動会や授業参観に行けない、というご相談を受けている方は、この選択肢を思い出していただければと思います。

時間と費用|年48時間・自己負担は1時間300円

ご家族に最初に聞かれるのはこの2点です。数字だけ押さえておいていただければ十分で、細かい計算は当ステーションで行います。

時間のルール

項目内容
上限医療的ケア児1人につき1年度あたり最大48時間
令和8年度令和8年7月1日〜令和9年3月31日で48時間
1日の回数1日1回まで
1回の時間1時間以上、以降30分単位(1回あたりの上限時間はなし)
繰り越し翌年度への繰り越しはできない
複数事業所各事業所の提供時間を合算して48時間まで

提供時間が1時間に満たない場合は、助成の対象になりません。 お子さんの容態が急変してやむを得ず短縮した場合も同じ取り扱いです。30分に満たない端数は切り捨てになります。

自己負担の早見表

1回の利用時間ご家族の自己負担
1時間300円
1時間30分450円
2時間600円
3時間900円

1時間300円、以降30分ごとに150円が加算されます。生活保護世帯と市町村民税所得割非課税世帯は自己負担がありません。負担額は世帯の市町村民税の課税状況で決まります(毎年度7月までは前年度、8月以降は当該年度)。

交通費や、外出先で訪問看護以外にかかる費用は、別途ご負担をお願いする場合があります。金額は契約時に書面でご説明します。

医療保険の訪問看護に続けて使うとき

いつもの訪問看護に続けて使う場合、原則としてその訪問が終わった時点からがこの事業の時間になります。

注意点は、この事業の部分だけで1時間以上必要なことです。医療保険1時間のあとに30分だけ延長する使い方はできません。医療保険1時間+この事業1時間以上であれば利用できます。

例外として、医療保険の長時間訪問看護加算を算定する場合に限り、加算とこの事業を同時に請求できないため、1時間30分を超えた時間からが対象になります。

ご紹介のあとの手順|申請書の提出先は市役所ではありません

この事業の一番の実務ポイントは、申請書の提出先が市役所ではなく訪問看護ステーションであることです。ご家族が窓口に出向く必要はありません。

訪問看護ステーションを窓口として、制度案内から申請、決定通知、利用開始まで進む流れを示したイラスト

利用開始までの5ステップ

ステップやること担当
1制度があることをご家族にお伝えいただくご紹介くださる方
2ご家族から当ステーションへご連絡(またはお取り次ぎ)ご家族/ご紹介くださる方
3利用登録(変更・更新)申請書(第1号様式)と、申請日時点で有効な訪問看護指示書の写しをご用意当ステーションがご案内
4事業所から市へ提出。決定通知が事業所経由でご家族へ当ステーション
5利用契約を締結してご利用開始当ステーション

申請から決定通知、契約までには段階があります。行事など日程が決まっている用途では、早めのご相談をお願いします。

役割分担(どこまでが当ステーションの担当か)

場面ご紹介くださる方当ステーション
制度のご紹介「こういう制度があります」とお伝えいただくだけで十分です制度の詳しいご説明
対象判定迷ったままご連絡ください5要件の確認、判断に迷う点の市への照会
申請書の記入・提出お預かりは不要です様式のお渡し、記入のご案内、指示書の写しの確認、市への提出
決定通知・契約通知のお渡し、利用契約の締結
利用開始後時間の管理、記録票、市への実績報告
サービス等利用計画への位置づけ取り扱いは市へご確認ください(後述)

ご紹介いただいたあとの事務は当ステーションで引き受けます。お手数をおかけしません。

すでに他のステーションをご利用の場合

まずはご利用中の訪問看護ステーションが、この事業に対応しているかをご確認ください。対応している場合は、そのステーションが申請の窓口になります。

なお制度上は、複数の事業所を併用することもできます。いずれも市と協定を締結済みであること、年48時間は合算になること、ご家族が最新の決定通知書を新しい事業所の看護師に提示することが条件です。

利用登録の有効期間

利用登録の有効期間は、決定日以後の最初の7月31日までです。継続には更新申請が必要で、毎年度6月中旬に市から登録事業者へ案内が届きます。

例外が2つあります。決定日の属する年度内に18歳に到達する場合は、その年度の3月31日までです。また、有効期間の開始日が令和8年7月1日から7月31日までのものは、終期が令和9年7月31日になります。初年度に登録したご家族が「令和8年7月31日で切れる」と誤解しやすい点です。

あおい訪問看護ステーションの対応について

この事業を提供するには、船橋市への事業者登録と、市との協定締結が必要です。当ステーションの現在の登録状況、対応できる医療的ケアの範囲、対応できる曜日・時間帯、自宅以外での提供の可否、本事業の対応エリア(本事業の対象は船橋市内にお住まいの方です)については、お電話でご確認ください

判断に迷うときの相談先|船橋市の担当課

制度そのもののご確認は、市の担当課が確実です。

  • 船橋市保健所 保健総務課 疾病対策係 047-409-2891
  • 船橋市 地域子育て部 療育支援課 047-436-2342

サービス等利用計画への位置づけが必要かどうかは、公開されている制度資料に記載がなく、当ステーションでは確認できていません。取り扱いは船橋市保健所 保健総務課(047-409-2891)へご確認ください。

制度の詳細と最新の情報は、市の公式ページでご確認いただけます。Q&Aと利用者登録案内チラシも同じページからダウンロードできます。

よくある質問

Q. 紹介したあと、申請書を私が預かる必要はありますか。
A. ありません。申請書と訪問看護指示書の写しは、ご家族から訪問看護ステーションへ直接お渡しいただきます。市への提出も事業所が行います。

Q. 訪問看護をまだ使っていないお子さんは対象になりますか。
A. 現時点では対象になりません。訪問看護により医療的ケアを受けていることが要件のひとつです。訪問看護の導入からご相談いただけます。

Q. 学校の遠足に看護師が付き添えますか。
A. 市は利用例として挙げています。ただし学校等での提供の可否は、通学先の学校への事前相談が前提です。学校の考え方によっては受けられない場合があります。

Q. 自己負担はいくらですか。
A. 1時間300円、以降30分ごとに150円です。生活保護世帯と市町村民税所得割非課税世帯は自己負担がありません(2026年8月時点)。

Q. サービス等利用計画への位置づけは必要ですか。
A. 公開されている制度資料に記載がなく、当ステーションでは確認できていません。船橋市保健所 保健総務課(047-409-2891)へご確認ください。

Q. 対象になるか判断がつかないケースはどうすればよいですか。
A. そのままご連絡ください。市も、該当するか不安な場合は申請前に相談するよう案内しています。

ご紹介・ご相談の窓口

対象になるか分からない段階で構いません。お電話ください。

あおい訪問看護ステーション(株式会社True Colors)
〒273-0048 千葉県船橋市丸山3-1-2-202
電話 050-5536-3136

お電話の際は、お子さんのお名前はイニシャルでお願いします。 詳しいご状況は、ご家族の同意をいただいたうえで改めて伺います。

ご家族向けの詳しい解説は、船橋市の医療的ケア児在宅レスパイト事業とは?年48時間の使い方と自己負担にまとめています。ご家族にお渡しいただく際は、こちらをご案内ください。


執筆:あおい訪問看護ステーション(株式会社True Colors)
最終確認日:2026年8月30日(船橋市の公式ページ・実施要綱・公式Q&Aで内容を確認しています)

※掲載内容は2026年8月時点の情報です。制度は変更される場合がありますので、最新の内容は船橋市の公式ページをご確認ください。

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この記事を書いた人

金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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