訪問看護の利用者は、介護サービス全体の5倍のペースで増えています

訪問看護の利用者が前年同月比9.3%増で介護サービス全体1.7%を上回っていることを示した図|あおい訪問看護ステーション

ご家族から「訪問看護をお願いしたいのですが」とご相談をいただいたとき、以前より「もう少し早く動いていれば」と感じる場面が増えました。感覚の話ではありません。国の統計に、はっきり出ています。

2026年8月末に公表された最新の統計で、訪問看護の利用者は前年同月比で9.3%増えました。介護サービス全体の伸びは1.7%です。訪問看護だけが、介護全体のおよそ5倍のペースで増えています。

この記事では、その数字が何を意味するのか、そして「訪問看護をお願いしたい」と思ったときに何をしておくとよいのかを整理します。※2026年9月時点の情報です。最新の制度・統計は公式情報をご確認ください。

目次

最新の統計|訪問看護 +9.3%、介護予防訪問看護 +13.4%、介護全体 +1.7%

厚生労働省の介護給付費等実態統計(令和8年5月審査分)によると、前年同月と比べた受給者数の伸びは次のとおりです。

訪問看護の利用者が前年同月比9.3%増で介護サービス全体1.7%を上回っていることを示した図|あおい訪問看護ステーション
サービス受給者数前年同月比
介護予防訪問看護145.8千人+13.4%
訪問看護768.0千人+9.3%
介護サービス全体4,837.2千人+1.7%

ここで、数字の読み方について2つお断りしておきます。ひとつは、これは介護保険の訪問看護の数字で、医療保険の訪問看護は含まれていないということ。もうひとつは、5月審査分は4月にサービスを提供した分にあたるため、2026年6月の診療報酬改定より前の状況だということです。

それでも、介護のなかで訪問看護が突出して伸びていることは、この数字からはっきり読み取れます。とくに介護予防訪問看護の13.4%という伸びは、要支援の段階から訪問看護を使う方が増えていることを示しています。

事業所も増えました。ただ、利用者の増え方のほうが大きい

同じ統計で、訪問看護の請求事業所数は17,759事業所、前年同月比で6.5%増えています。事業所は着実に増えているのです。

訪問看護の利用者の伸び9.3%が請求事業所の伸び6.5%を上回っていることを示した図|あおい訪問看護ステーション

ただ、利用者の伸び(9.3%)のほうが、事業所の伸び(6.5%)を上回っています。単純に言えば、1つの事業所が担当する利用者は増えているということです。

これが、実際の現場で「今は空きがありません」という返事が返ってくることの背景にあります。事業所が増えていないから足りないのではなく、増えている以上に必要とされている、という状況です。

なぜ、これほど増えているのか

要因はひとつではありませんが、現場で感じるのは次の3つです。

退院が早くなり、家に帰る時点の医療依存度が上がっている

以前なら入院を続けていた状態でも、退院して在宅に移るケースが増えました。点滴、経管栄養、在宅酸素、褥瘡の処置。こうした医療的な管理を、ご家族と訪問看護で担う形です。退院前カンファレンスの段階から訪問看護が入ることが、以前より重要になっています。

看取りの場が、自宅に戻ってきている

「最期は家で」という希望に、実際に応えられる体制が地域に整ってきました。24時間の連絡体制、急変時の対応、主治医との連携。ターミナル期の依頼は、当ステーションでも確実に増えています。

精神科・小児など、対象が広がっている

訪問看護は、高齢の方だけのサービスではありません。精神科訪問看護、医療的ケア児への小児訪問看護、発達に不安のあるお子さんへの支援。これまで届きにくかった領域に、訪問看護が入るようになりました。

「今は空きがありません」と言われたときの3ステップ

実際にお断りせざるを得ないこともあります。地域、曜日や時間帯、必要な医療処置の種類、24時間対応の体制。事業所ごとに受けられる条件が違うためです。断られたときは、次の順で動いてみてください。

訪問看護で空きがないと言われたときの3ステップを示した図|あおい訪問看護ステーション
  1. ケアマネジャーに、複数の事業所を当たってもらう
    空き状況は地域や時間帯によって大きく違います。1か所の返事で判断しないほうがよいです。
  2. 条件をひとつ緩められないか相談する
    曜日、時間帯、初回訪問の時期。どれかを動かせると、受けられる事業所が見つかることがあります。
  3. 退院が決まった時点で動きはじめる
    退院してから探すのではなく、退院前カンファレンスの段階で相談すると、調整の幅がまったく変わります。

ケアマネジャーがまだ決まっていない場合は「船橋市でケアマネジャーを探すには?居宅介護支援事業所の選び方」を、退院前の準備については「退院後の生活が不安な方へ|退院前カンファレンスと訪問看護の準備」をご覧ください。

早めに相談しておくと、何が変わるか

「まだそこまでの状態ではないので」とおっしゃるご家族は多いです。ただ、早めに相談しておくと、実際に必要になったときの動きが変わります。

  • 主治医との連携が先に始められる:訪問看護指示書のやりとりに時間がかかることがあります
  • 状態の変化に気づける:はじめから見ている看護師のほうが、変化に早く気づけます
  • いざというときの窓口が決まっている:急変時に「どこに電話すればいいか」が決まっているだけで、ご家族の負担はかなり違います

もちろん、相談したからといって、すぐに利用を始める必要はありません。「今は必要なさそうです」とお伝えすることもあります。それも含めての相談だと思っていただければ。

まとめ

  • 訪問看護の利用者は前年同月比+9.3%、介護予防訪問看護は+13.4%。介護サービス全体の+1.7%と比べて突出している(令和8年5月審査分・介護保険分のみ)
  • 請求事業所も+6.5%と増えているが、利用者の伸びのほうが大きい
  • 背景には、退院の早期化、在宅看取りの広がり、精神科・小児への対象の広がりがある
  • 断られたときは、複数当たる・条件を緩める・退院前から動く

訪問看護そのものについては「訪問看護とは?サービス内容・対象者・利用条件を看護師が解説」に、事業所の選び方は「船橋市で訪問看護を選ぶには?料金・対応内容・流れを解説」にまとめています。

あおい訪問看護ステーション(千葉県船橋市丸山3-1-2-202)
対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に対応しています
お電話(050-5536-3136)またはお問い合わせフォームからご相談ください。まだ利用を決めていない段階のご相談でも構いません。

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この記事を書いた人

金子誠のアバター 金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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