こんにちは、あおい訪問看護ステーション(千葉県船橋市)です。
「腹膜透析には2種類あると聞いたけれど、APDとCAPDって何が違うの?」——腹膜透析(PD)の導入を検討されている方やそのご家族から、よく聞かれる疑問だと思います。
先日、私たちのスタッフはヴァンティブ(Vantive)のご担当者様を講師に迎えた腹膜透析の勉強会に参加し、実物の装置や資材を目の前にしてこの違いを学ぶ機会がありました。この記事では、その学びをもとに、APDとCAPDの基本的な違いを分かりやすくご紹介します。勉強会全体の様子は、前回の記事「腹膜透析(PD)の勉強会に参加しました」でもレポートしています。
腹膜透析(PD)には2つの方法がある
腹膜透析は、自分自身の腹膜を利用して、自宅で行える透析治療です。おなかに入れた透析液に体内の余分な水分や老廃物を移し、その液を交換することで血液をきれいにします。
この「透析液の交換」のやり方によって、腹膜透析は大きく2つに分けられます。
- CAPD(連続携行式腹膜透析):日中、自分の手でバッグを交換する方法
- APD(自動腹膜透析):主に就寝中に、専用の装置が自動で交換する方法
どちらも治療の場は「自宅(生活の場)」。ここが、週数回の通院が基本となる血液透析との大きな違いです。
CAPDとは:日中に手動でバッグ交換する方法
CAPDは、腹膜透析の中でも従来から行われてきた方法です。勉強会で伺った話では、1日に3〜4回ほど、1回あたり30分程度かけて、透析液の排液と注入を手動で行うとのことでした。
「手動」と聞くと難しそうに感じますが、実演を見て印象が変わりました。カテーテルと薬剤バッグをつなぐ操作には、紫外線で殺菌しながら自動で接続してくれる接続装置「つなぐ」が使われており、チューブをセットして蓋を閉めるだけ。排液は、バッグをおなかより低い位置に置き、高低差を利用して行います。目の前で見ていたスタッフから「マジックみたい」と声が上がるほど、操作を簡単に・清潔に行うための工夫が詰まっていました。
APDとは:就寝中に装置が自動で行ってくれる方法
一方のAPDは、夜寝ている間に専用の装置が自動で透析液を出し入れしてくれる方法です。勉強会では、APD装置「かぐや」の実物を使ったセットアップの実演を見せていただきました。
画面のイラストと音声案内に従って進めればセットできるようになっていて、回路は一方向にしかはまらない誤接続防止の構造。注入・排液の量は装置が自動で計測してくれるため、はかりで計る手間もありません。2か所の温度センサーが温度差を監視し、安全なときだけ液を送る仕組みになっているなど、就寝中の治療を支える安全設計に、スタッフ一同感心しきりでした。
日中の交換作業が少なくなるぶん、昼間の時間を自由に使いやすいのがAPDの特長として紹介されていました。また勉強会では、寝たきりの方の場合に昼間に透析を行い、夜はご家族や介助者が休めるようにするなど、使い方は患者さんの状況に合わせてさまざまだというお話も伺いました。
実物を見て分かった「自宅での生活」のイメージ
実機デモならではの学びは、機器の違いだけではありません。自宅で腹膜透析を行う暮らしの実際も、少しだけ見えてきました。
- 透析液の保管には1〜2畳分のスペースが必要。1日1箱ほどのペースで使うため、置き場所の確保もご自宅での療養準備の一つです。
- APD装置は、ベッドで寝たときのおなかの高さか、それより少し低い位置に置くのがよいと教わりました。装置の置き場所も生活動線の一部です。
- 排液バッグがあえて二股に分かれているのは、力の弱い方が重いバッグを持ち上げなくて済むようにという配慮から。夜間の排液音を抑える部材が付いているなど、暮らしへの気配りが随所にありました。
APDとCAPDは組み合わせもできる:「フレキシブルPD」という考え方
「APDかCAPDか、どちらか一方を一生続ける」というわけではありません。勉強会では、体の状態やライフスタイルに合わせてAPDとCAPDを組み合わせる「フレキシブルPD」という考え方も紹介されていました。
講師の方が繰り返しおっしゃっていたのは、腹膜透析は患者さん一人ひとりの状況に合わせる「オーダーメイド(テーラーメイド)の治療法」だということ。生活に治療を合わせていける柔軟さが、腹膜透析の大きな特徴なのだと感じました。
どちらを選ぶかは、必ず主治医・PD担当の医療者と相談を
ここまでAPDとCAPDの違いをご紹介してきましたが、どの方法が合うかは、腎臓の状態、生活リズム、ご家族のサポート体制などによって一人ひとり異なります。この記事は勉強会で私たちが学んだ内容のご紹介であり、特定の治療法をおすすめするものではありません。実際の治療の選択や変更は、必ず主治医やPD担当の医療スタッフとご相談ください。
まとめ
- 腹膜透析には、日中に手動でバッグ交換するCAPDと、主に就寝中に装置が自動で行うAPDの2つの方法があります
- 勉強会では接続装置「つなぐ」やAPD装置「かぐや」の実物に触れ、操作の工夫や自宅での生活のイメージを学びました
- 両者を組み合わせる「フレキシブルPD」という考え方もあり、生活に合わせられる柔軟さが腹膜透析の特徴です
- あおい訪問看護ステーションは、腹膜透析の利用者さんへの対応に向けて学びを深めています
あおい訪問看護ステーションは、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に、24時間365日対応の訪問看護を行っています。ご自宅での療養について「こんな状態でも相談できる?」という段階からで構いません。まずはお気軽にご相談ください。お問い合わせはお電話(050-5536-3136)またはお問い合わせページからどうぞ。


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