在宅介護が続かなくなる理由で、いちばん多いのは本人の状態悪化ではありません。介護しているご家族が倒れることです。
訪問していると、ご本人より先にご家族の様子が気になることがあります。眠れていない、痩せてきた、笑わなくなった。この記事では、限界のサインと、休むために使える制度、相談先を整理します。※2026年9月時点の情報です。
限界のサインを、先に知っておく
介護をされている方は、自分が限界に近いことに気づきにくいものです。次のような状態が続いていたら、休息を検討する時期だと考えてください。

- 眠れない・夜中に何度も起きる:夜間の見守りや排泄介助で睡眠が細切れになっている
- 食事が適当になっている:本人の食事は用意するが、自分は立ったまま済ませている
- 外出しなくなった:買い物以外で家を出ていない、人と話していない
- 怒りっぽくなった:本人に強い口調で言ってしまい、あとで自分を責める
- 体調不良を放置している:自分の受診を後回しにしている
- 「自分がやるしかない」と思っている:人に頼むより自分でやったほうが早い、と感じる
最後の項目が出てきたら、かなり疲れています。助けを求める気力そのものが落ちている状態だからです。
休むために使える制度

短期入所生活介護・短期入所療養介護(ショートステイ)
介護保険のサービスで、数日から数週間、施設に泊まっていただくものです。生活介護(特養など)と療養介護(老健・医療機関など)があり、医療的な管理が必要な方は後者が向きます。ケアプランに組み込む必要があるので、ケアマネジャーにご相談ください。
区分支給限度基準額の枠を使いますので、他のサービスとの兼ね合いも出てきます。「区分支給限度額の中で、何を削るか|訪問看護を減らす前に考えること」もあわせてご覧ください。
医療型短期入所・レスパイト入院
医療的な管理が必要で、一般のショートステイでは受け入れが難しい方向けの選択肢です。医療機関に短期間入院する形になります。主治医への相談が入口になります。
訪問介護・デイサービスの回数を増やす
泊まりを伴わなくても、日中の数時間を預けるだけで違います。ご本人が泊まりを嫌がる場合の現実的な選択肢です。
「預けるのはかわいそう」と思われる方へ
ショートステイを勧めると、「本人が嫌がるから」「見捨てるようで」とおっしゃる方が少なくありません。
ただ、実際に起きているのは逆のことが多いです。介護している方が倒れると、ご本人は望まない形で入院や入所になります。数日の休息で在宅を続けられるなら、そのほうがご本人の希望にも沿います。
私たちは「休んでください」と申し上げます。それが仕事だと思っているからです。
訪問看護は、ご家族の様子も見ています
制度上、ご家族の分の処置や健康相談はお受けできません。それでも、訪問のたびにご家族の状態は目に入ります。気になるときは、ケアマネジャーや地域包括支援センターにおつなぎします。
訪問看護で頼めることと頼めないことの線引きは「訪問看護に「頼めないこと」|計画書と指示書の範囲を先にお伝えします」に整理しました。
相談先

- ケアマネジャー:まずここ。ショートステイの手配、サービスの組み替えができます
- 地域包括支援センター:ケアマネジャーがついていない場合や、家族自身の相談もできます
- 市区町村の高齢者福祉担当課:市独自の家族介護支援や、介護者の交流会を持っていることがあります
- 主治医:レスパイト入院の可否はここから
- 認知症の場合は認知症疾患医療センター・家族の会:同じ立場の人と話せる場があります
ケアマネジャーがまだ決まっていない場合は「船橋市でケアマネジャーを探すには?居宅介護支援事業所の選び方」をご覧ください。
まとめ
- 在宅介護が続かなくなる大きな理由は、介護する側が倒れること
- 眠れない・食事が適当・外出しない・怒りっぽい・自分の受診を後回し・「自分がやるしかない」は限界のサイン
- ショートステイ、医療型短期入所・レスパイト入院、日中サービスの増回という手がある
- 預けることは見捨てることではない。休息が在宅を続ける条件になる
「まだ大丈夫です」とおっしゃる方ほど、限界が近いことがあります。訪問のときに、ご本人のことでなくご自身のことを話していただいても構いません。
あおい訪問看護ステーション(千葉県船橋市丸山3-1-2-202)
対応エリア:船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に対応しています
お電話(050-5536-3136)またはお問い合わせフォームからご相談ください。

