「訪問介護を頼みたいけれど、『身体介護』と『生活援助』って何が違うの?」——ケアマネジャーさんとの打ち合わせや利用票で、この2つの言葉に戸惑う方はとても多いです。実はこの区分によって、頼める内容も、時間の区切り方も、料金のしくみも変わります。この記事では、介護が初めてのご家族に向けて、身体介護と生活援助の違いを比較表でわかりやすく整理し、「どちらになるか迷いやすいケース」や「ケアプランでどう決まるのか」まで解説します。読み終わる頃には、ケアマネジャーさんとの相談がぐっとスムーズになるはずです。
※本記事は2026年7月時点の情報です。介護報酬は改定されることがあるため、最新の制度は厚生労働省やお住まいの市町村の公式情報をご確認ください。
身体介護と生活援助——訪問介護の2つの区分
訪問介護(ホームヘルプサービス)は、介護保険のうえで大きく2つのサービスに分かれています。
- 身体介護:利用者さんの身体に直接触れて行う介助(食事・入浴・排せつ・着替えなど)や、自立支援・重度化防止のためのサービス
- 生活援助:身体介護以外の、掃除・洗濯・調理など日常生活の家事の援助
この区分は、厚生労働省の通知「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(老計第10号)で定められています。ポイントは、生活援助が「利用者さんが一人暮らしの場合や、同居のご家族が障害・疾病などのために家事を行うことが難しい場合」に利用できるサービスだという点です。単なる「家政婦サービス」ではなく、あくまで本人の生活を支えるための介護保険サービス、というのが基本の考え方です。
頼める内容の比較表
具体的にどんなことを頼めるのか、代表的な例を比較してみましょう。
| 身体介護 | 生活援助 | |
|---|---|---|
| 食事 | 食事の介助、見守りながらの声かけ | 利用者さん本人のための調理・配下膳 |
| 清潔 | 入浴介助、清拭(体を拭く)、洗髪 | — |
| 排せつ | トイレ介助、おむつ交換 | — |
| 移動 | 起き上がり・立ち上がりの介助、通院時の乗降介助 | — |
| 家事 | 本人と一緒に行う調理・掃除(自立支援のための見守り的援助) | 掃除、洗濯、ベッドメイク、買い物、薬の受け取り |
| 服薬 | 服薬介助(飲むところを確認・介助) | — |
ここで大切なのは、「本人と一緒に家事を行い、できることを増やしていく支援」は生活援助ではなく身体介護に位置づけられることです。平成30年の老計第10号改正で、「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」(例:安全を確保しながら本人と一緒に調理をする、洗濯物を一緒に干す)が身体介護として明確化されました。「家事=生活援助」と単純に分かれるわけではない点は、知っておくと役に立ちます。
なお、ヘルパーに頼めないこと(ご家族の分の家事、庭の草むしり、ペットの世話など)もあります。詳しくは関連記事「訪問介護とは?できること・できないこと一覧で解説」をご覧ください。
時間区分と料金のしくみの違い
身体介護と生活援助では、サービス時間の区切り方(時間区分)が異なります。
| 区分 | 時間区分 |
|---|---|
| 身体介護 | 20分未満/20分以上30分未満/30分以上1時間未満/1時間以上(以降30分ごとに加算) |
| 生活援助 | 20分以上45分未満/45分以上 |
料金は「単位数」という共通の点数で決まっており、同じ時間帯なら身体介護のほうが生活援助よりも単位数(=料金のもと)が高く設定されています。身体介護は専門的な技術で身体に直接関わるサービスであるためです。
自己負担は、かかった費用の1割(所得に応じて2割または3割)です。たとえば1割負担の方が身体介護(30分以上1時間未満)を1回利用した場合の自己負担は、おおよそ数百円程度が目安です(地域やサービス内容、加算の有無によって変わります)。具体的な金額は、ケアマネジャーや利用予定の事業所に確認するのが確実です。料金全体のしくみは関連記事「訪問介護の料金はいくら?」で詳しく解説しています。
どちらになるか迷いやすいケース
実際のサービスでは「これはどっち?」と迷う場面がよくあります。代表的な例を挙げます。
- 調理:ヘルパーが代わりに作る→生活援助/本人と一緒に安全を見守りながら作る→身体介護(見守り的援助)
- 買い物:ヘルパーが代わりに行く→生活援助/本人と一緒に行き、歩行を介助しながら店内を回る→身体介護
- 服薬:薬を受け取ってくる→生活援助/飲むところを介助・確認する→身体介護
- 1回の訪問で両方行う場合:「排せつ介助のあとに掃除」のように、身体介護と生活援助を組み合わせて算定されることもあります
同じ「調理」「買い物」でも、本人がどう関わるかで区分が変わるのがポイントです。区分の判断はご家族が自分で行う必要はなく、次に説明するケアプランの中で専門職が整理してくれます。
区分はケアプランでどう決まる?
身体介護か生活援助かは、利用者さんやご家族が窓口で選ぶものではなく、ケアマネジャー(介護支援専門員)が作成するケアプラン(居宅サービス計画)の中で決まります。おおまかな流れは次のとおりです。
- ケアマネジャーが本人・家族の状況や希望を聞き取り(アセスメント)
- 「どんな生活を目指すか」の目標を立て、必要なサービスを検討
- 身体介護・生活援助の内容と時間をケアプランに位置づけ
- 訪問介護事業所が具体的な訪問介護計画を作成し、サービス開始
「掃除だけ頼みたい」「入浴を手伝ってほしい」といった希望は、まずケアマネジャーに伝えれば大丈夫です。生活援助には利用回数の目安が定められているケースもあるため、必要性を含めてケアプランで整理してもらいましょう。ケアプランの作り方は関連記事「ケアプランとは?作成の流れと居宅介護支援事業所の選び方」もご覧ください。
よくある質問
Q1. 同居家族がいると生活援助は頼めないのですか?
A. 同居のご家族がいる場合、生活援助は原則として利用できませんが、ご家族が障害や疾病などのために家事を行うことが難しい場合には利用できることがあります。ご家庭の事情によって判断が分かれるため、ケアマネジャーまたは市町村の窓口にご相談ください。
Q2. 身体介護と生活援助、料金はどちらが高いですか?
A. 同じくらいの時間で比べると、身体介護のほうが単位数(料金のもと)が高く設定されています。ただし自己負担は原則1割(所得により2〜3割)のため、1回あたりの負担額の差は数十円〜数百円程度が目安です。正確な金額は事業所にご確認ください。
Q3. 「本人と一緒に料理をしてもらう」のは頼めますか?
A. 頼めます。安全を見守りながら本人と一緒に行う調理や掃除は「自立生活支援のための見守り的援助」として身体介護に位置づけられています。できることを維持・回復するための前向きな支援として、ケアプランに入れてもらえるか相談してみてください。
まとめ|迷ったらケアプランの段階でご相談を
- 訪問介護は「身体介護」(身体に直接関わる介助+自立支援の見守り的援助)と「生活援助」(本人のための家事援助)の2区分
- 時間区分も料金のもとになる単位数も異なり、身体介護のほうが高く設定されている
- 同じ家事でも「本人と一緒に行うか」で区分が変わる。判断はケアマネジャーがケアプランで整理してくれる
「うちの場合はどっちになるの?」という疑問は、ケアプランを作る段階で解決するのがいちばんスムーズです。私たちTrue Colorsグループには、訪問介護「ヘルパーセンターオリーブ」に加えて、「あおいケアプランセンター」「あやめケアプランセンター」(居宅介護支援)があり、区分のご相談からケアプラン作成、サービス開始までまとめてお手伝いできます。
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