「デイサービスなんて行きたくない」「知らない人に家に入ってほしくない」――心配して介護サービスを勧めたのに、親から頑なに拒否されてしまう。そんなとき、良かれと思ってのことなのに分かってもらえない、と疲れてしまう方も多いのではないでしょうか。この記事では、親が介護サービスを拒否する背景にある気持ち、伝え方の工夫、段階的に取り入れていくためのヒント、そして専門職の力を借りるタイミングについてご紹介します。拒否には親御さんなりの理由があることが多く、その理由に寄り添った関わり方をすることで、少しずつ気持ちが変わっていくこともあります。
※本記事は2026年8月時点の情報です。
1. なぜ親は介護サービスを拒否するのか|背景にある気持ち
介護サービスの利用を拒否する背景には、次のような気持ちが隠れていることが多いといわれます。
- 「まだ自分でできる」という自尊心……できないことを認めたくない、年老いたと思われたくないという気持ち
- 「知らない人が家に入ることへの抵抗」……プライベートな空間に他人を入れることへの不安や恥ずかしさ
- 「介護=終わりの始まり」という不安……サービスを使うことが「もう自分は駄目だ」という宣告のように感じられる
- 過去の情報や思い込み……昔の介護保険のイメージ、知人の悪い評判などが影響している場合も
まずは「なぜ嫌がっているのか」を決めつけずに聞いてみることが最初の一歩です。理由が分かれば、その理由に寄り添った関わり方ができます。
2. 伝え方をひと工夫すると、伝わり方が変わることがあります
良かれと思って伝えた言葉が、思いがけず拒否を強めてしまうこともあります。ここまで頑張ってきたご家族を否定するつもりはまったくありませんが、こんな伝え方はうまくいきにくい、という傾向は知っておくと役立つかもしれません。
- 正論で説得する……「もう歳なんだから」「みんな使っているよ」というのはつい言ってしまいがちですが、自尊心を傷つけやすい面があります
- 一度で完璧な説明をしようとする……初回の説明で全部を決めようとすると、本人は身構えて防御的になりやすいようです
- 家族だけで進めてしまう……本人の意思を確認せずに手続きを進めると、その後の関係に影響することもあります
「サービスを使うこと」自体を目的にせず、「本人がどう困っているか」「どうなりたいか」を起点に話すと、伝わり方が変わることがあります。
3. 段階的に取り入れる工夫|小さな一歩から始める
「介護サービス」という言葉自体が壁になっていることも少なくありません。生活の困りごとから小さく始める工夫が、よく紹介されています。
- 「介護」ではなく別の言葉で伝える……「健康チェックに来てもらう」「家事を手伝ってもらう」など、本人が受け入れやすい言葉に言い換える
- 本人の得意なこと・好きなことから……趣味の延長やレクリエーションから通所系サービスに慣れてもらう
- 回数・時間を最小限から始める……週1回・30分など、負担が少ない形からスタートし、様子を見ながら増やす
- 同世代の利用者の声を借りる……同じ立場の人の体験談は、家族の説得より効果的な場合があります
段階的な導入がうまくいくかどうかは本人の状態や性格によって差があり、すぐに受け入れてもらえるとは限りません。それでも、時間をかけて小さな接点を積み重ねていくことが、結果的に受け入れにつながりやすいと言われています。うまく進まない日があっても、それは決して失敗ではありません。
4. 専門職の力を借りるタイミング|家族だけで頑張らない
ここまで一人で、あるいはご家族だけで頑張ってこられた方も多いと思います。早い段階で専門職に相談することも、大切な選択肢の一つです。一人で抱え込まなくても大丈夫です。
- ケアマネジャー……本人・家族との関わり方について相談でき、本人への伝え方を一緒に考えてくれる場合があります。ケアマネジャーの役割については、関連記事「ケアマネジャーとは?役割・探し方・費用をやさしく解説」でも解説しています
- 地域包括支援センター……サービス利用前の段階でも相談可能で、本人への働きかけ方についてアドバイスをもらえることがあります
- 訪問看護・訪問介護の初回相談……サービス内容や訪問時の様子を事前に説明してもらうことで、本人の不安が和らぐ場合があります。訪問介護と訪問看護の役割の違いについては「訪問介護と訪問看護の違い|どっちを使う?併用はできる?」もご参照ください
介護保険サービスを利用する前提として、まず地域包括支援センターへの相談や要介護認定の申請といったステップがあります。全体の流れは関連記事「親の介護が始まったら最初にやること5つ|要介護認定から解説」で確認できます。
よくある質問
Q1. どうしても拒否が強い場合、無理に説得したほうがいいのでしょうか?
A. 無理に説得することはおすすめしていません。本人の意思を尊重しながら、時間をかけて関わり方を変えていくのが基本です。心身の状態によって相談の緊急性は異なりますので、心配な変化がある場合は早めにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。
Q2. 一度拒否されたら、もう提案しないほうがいいですか?
A. そうとは限りません。本人の状態や気分は変化するため、時期を変えて改めて提案することで受け入れてもらえる場合もあります。ただ、同じ伝え方を繰り返すとうまくいきにくいこともあるので、伝え方を少し変えてみるのも一つの工夫です。
Q3. 拒否されたまま様子を見ていても大丈夫ですか?
A. 状態によって変わってきます。転倒・栄養状態の悪化・認知機能の変化など気になる点がある場合は、無理に様子を見続けず、早めに専門職へ相談してみることをおすすめします。
まとめ|拒否には理由がある。焦らず段階的に
- 拒否の背景には自尊心・不安・思い込みなど、本人なりの理由がある
- 正論での説得や一度で完璧に説明しようとするのは、うまくいきにくいことがある
- 「介護」という言葉を避け、小さな一歩から段階的に取り入れる工夫が有効な場合がある
- 家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど専門職の力を借りることも選択肢
親の介護サービス利用は、本人の気持ちのペースに合わせて進めることが大切です。あおい訪問看護ステーション・ヘルパーセンターオリーブ・あおい/あやめケアプランセンターでは、ご本人への伝え方についてもご家族と一緒に考えます。
一人で抱え込まないでください。話すだけでも、少し軽くなることがあります。
お電話 050-5536-3136(あおい訪問看護ステーション)/訪問介護のご相談は050-5530-4938(ヘルパーセンターオリーブ)
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