訪問看護って、リハビリだけじゃない|看護師も来る3つの理由

訪問看護って、リハビリだけじゃない|看護師も来る3つの理由|あおい訪問看護ステーション

「訪問看護からリハビリをお願いしたら、看護師さんも来ると言われた」。そんなとき、理由が分からず戸惑うことがあるかもしれません。

結論からお伝えします。介護保険の訪問看護では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の訪問は「看護業務の一環としてのリハビリ」と位置づけられています。そのため看護師も、利用を始めるときと、少なくとも概ね3か月に1回程度は訪問して、体調や全身の状態を確かめます。看護とリハビリは同じ計画書で動き、体調の変化は主治医につながるしくみです。

この記事で分かること

  • 訪問看護のリハビリで、看護師も来る3つの理由
  • 看護師とリハ職が、それぞれ何を見て、どう共有しているか
  • 計画書・報告書の作り方と、体調が変わったときのつながり方

※2026年11月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。この記事は介護保険の訪問看護を中心に説明しています。

目次

訪問看護のリハビリで看護師も来る3つの理由

訪問看護のリハビリで看護師も来るのは、制度の上で、看護とリハビリが1つのサービスとして組み立てられているからです。理由を3つに分けると、次のとおりです。

介護保険の訪問看護では、看護師が体調や全身の状態を、リハ職が家の中での動作を見て、毎回の記録で共有することを示した図。リハビリは看護業務の一環であること、看護師が少なくとも概ね3か月に1回訪問すること、計画書と報告書を一緒に作って主治医に届けることの3つの理由つき。
理由ご家族にとっての意味
1訪問看護のリハビリは「看護業務の一環」として行われるリハビリも、看護の計画の中で行われます
2看護師が定期的に訪問し、状態を確かめることになっている体調や全身の状態を、看護の目でも見てもらえます
3計画書と報告書は看護師とリハ職が連携して作り、主治医に届くリハビリの様子も、主治医へまとめて伝わります

訪問看護は「看護師その他の職種」が行うサービスです

国の介護保険制度の概要では、介護保険のしくみや改正の内容がまとめられています。訪問看護は、その介護保険のサービスの1つです。

介護保険法の第8条第4項は、訪問看護を「看護師その他厚生労働省令で定める者」が行うサービスと定めています。

その「厚生労働省令で定める者」は、介護保険法施行規則の第7条に書かれています。保健師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士です。

国の介護サービス情報公表システムの訪問看護の説明では、訪問看護は主治医の指示に基づいて、療養上の世話や診療の補助を行うサービスとされています。

全国訪問看護事業協会の「訪問看護を利用する方」のページにも、訪問看護ステーションから訪問できる職種として、看護師と並んで理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が挙げられています。

3つのリハ職(=リハビリの専門職)の仕事は、それぞれの職能団体のページで紹介されています。

リハ職の訪問は「看護業務の一環としてのリハビリ」です

国の通知では、理学療法士等による訪問看護を、次のように位置づけています。その訪問が看護業務の一環としてのリハビリを中心としたものである場合に、看護職員(=看護師・保健師・准看護師)の代わりに訪問させる、というものです。

この部分は、千葉市が事業所向けにまとめた訪問看護におけるリハビリテーションについて(PDF)に、国の通知から引用されています。

同じ資料では、訪問看護のリハビリが使われる場面も説明されています。通所リハビリ(デイケア)だけでは家の中での日常生活の動作の自立が難しく、家の状況の確認を含めて、看護職員とリハ職が連携した訪問看護が必要と判断された場合です。

つまり訪問看護のリハビリは、「リハ職だけが来るサービス」ではありません。看護の計画の中で、リハ職が専門性を生かして訪問する形です。

看護師の訪問は「少なくとも概ね3か月に1回」と、状態が変わったとき

国の通知では、計画書と報告書を作るにあたり、看護職員の訪問で利用者の状態を評価することを求めています。時期は、訪問看護の利用を始めるときと、状態の変化などに合わせた定期的な訪問です。

上で紹介した千葉市の資料では、定期的な看護職員の訪問について、次のように説明されています。

時期看護師の訪問
利用を始めるとき初回の訪問は、リハ職と同じ事業所の看護職員が行うことが原則
定期的に少なくとも概ね3か月に1回程度は、同じ事業所の看護職員が訪問
状態が変わったとき主治医の指示書の内容が変わったときや、心身の状態や家族などの環境が変わったときに訪問

現場の一言です。初めての訪問で看護師がうかがうと、「リハビリの先生が来ると思っていました」と言われることがあります。そのときは、体調と暮らしの様子を最初に看護師が確かめてから、リハ職が練習の内容を考える流れだとお伝えしています。

看護師とリハ職が、それぞれ見ていること

看護師とリハ職は、同じ利用者を違う角度から見ています。どちらか一方だけでは気づきにくいことを、記録を通じて補い合います。

看護師は体調・全身の状態や薬・医療的な処置を、リハ職は立つ・歩く・着替える・食べるといった動作と家の中の場面を見ており、毎回の訪問の記録で状況と実施した内容を共有していることを比べた図。
看護師リハ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)
主に見ること体調・全身の状態、薬、医療的な処置、主治医との連絡立つ・歩く・着替える・食べるなどの動作と、暮らしの場面
例血圧や脈、息切れ、むくみ、皮膚の状態、食事や水分、薬の変更立ち上がりや歩き方、段差やトイレまでの動き、手すりや福祉用具の使い方
共有のしかた毎回の訪問看護記録書などで、状況と実施した内容を共有同左

看護師:体調・全身の状態・薬・医療的な処置

看護師は、訪問のたびに体調と全身の状態を確かめます。薬が変わったこと、食事や水分がとれているか、眠れているかなども、看護の大切な情報です。医療的な処置がある方は、その管理も看護師の役割です。

リハ職:動作と、家での暮らしの場面

リハ職は、家の中の実際の場所で、動作の練習や工夫を考えます。ベッドからの立ち上がり、トイレまでの移動、着替えや入浴、飲み込みなど、目的は一人ひとり違います。手すりや段差など住まいの準備は、「その手すり、付ける前に一声を」でも紹介しています。

毎回の記録で、状況と実施した内容を共有します

国の通知では、理学療法士等が訪問看護をしている利用者について、毎回の訪問の記録を使って、看護職員とリハ職の間で状況と実施した内容を共有することを求めています。

現場の一言です。看護師の訪問で「最近、薬が変わった」と分かったときは、記録でリハ職にも伝えます。リハ職は、ふらつきが出ていないかを気にかけながら、その日の練習の内容を決めます。

計画書と報告書は、看護師とリハ職が一緒に作ります

訪問看護では、リハビリの内容も看護の内容も、1つの訪問看護計画書と訪問看護報告書にまとめます。作るのは看護師とリハ職の連携で、書類は主治医に届きます。

主治医の訪問看護指示書から始まり、看護師とリハ職が連携して訪問看護計画書を作り、本人と家族に説明して同意を得て交付し、訪問ごとの記録を共有して、訪問看護報告書とあわせて主治医に提出する流れを示した図。

始まりは、主治医の訪問看護指示書です

指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第69条は、訪問看護を始めるときに、主治医の指示を文書で受けることを定めています。この文書が訪問看護指示書(=主治医が訪問看護の内容を指示する書類)です。

指示書をだれが頼むのか、どう流れるのかは、「訪問看護を始めるとき、指示書って誰が頼むの?」で図にしています。

計画書と報告書は「連携して」作り、主治医に提出します

同じ基準の第70条は、訪問看護計画書と訪問看護報告書を、准看護師を除く看護師等が作ると定めています。計画書には、利用者の希望や主治医の指示、心身の状態をふまえた目標と、具体的なサービスの内容を書きます。

計画書は、ご本人やご家族に内容を説明して同意を得てから、お渡しします。ケアマネジャーが作るケアプラン(=居宅サービス計画)がある場合は、その内容に沿って作ります。

国の通知では、計画書と報告書は、准看護師を除く看護職員とリハ職が連携して作ることとされています。主治医に出す計画書と報告書には、リハ職が実施した内容も一体的に含めます。

書類だれが作るか主な中身届く先
訪問看護指示書主治医訪問看護で行う内容の指示訪問看護ステーション
訪問看護計画書看護師とリハ職が連携して作成目標と、看護・リハビリの具体的な内容ご本人・ご家族(説明と同意のうえ交付)、主治医
訪問看護報告書看護師とリハ職が連携して作成訪問した日、行った看護・リハビリの内容主治医

第69条は、計画書と報告書を主治医に提出し、主治医と密接に連携することも定めています。リハビリの様子も、看護の記録と一緒に主治医へ届く形です。

ケアマネジャーとも、同じ情報を見ながら動きます

訪問看護の計画は、ケアマネジャーのケアプランに沿って作ります。訪問看護からケアマネジャーへの情報共有の工夫は、「ケアマネさんと一緒に記録を整える」で詳しく紹介しています。

リハビリ中の「いつもと違う」は、看護師と主治医につながります

リハビリの時間は、体の動きを一緒に見る時間でもあります。リハ職が気づいた体調の変化は、同じ事業所の看護師に伝わり、必要に応じて主治医やケアマネジャーにつながります。

ご家族が訪問のときに看護師やリハ職へ伝えてほしい7つの変化(息切れや疲れやすさ、むくみ、食事や水分の減少、眠り、薬の変更や飲み忘れ、ふらつきや転倒、痛みや熱っぽさ)のチェックリスト。気づいたことは看護師を通じて主治医やケアマネジャーにつながる。

ここからの例は、複数のケースをもとに再構成したものです。特定の方の話ではありません。

例1:練習の前に、いつもより息が上がっていた

歩く練習の前に、リハ職がいつもより息切れが強いことに気づきました。その日は練習を軽くして、看護師に連絡しました。看護師が様子を確かめ、主治医に報告して、次の受診で相談することになりました。

リハ職が体調の変化に気づいたとき、すぐに看護師へ相談できるのは、同じ事業所で働く良さの1つです。

例2:着替えの練習中に、足のむくみに気づいた

作業療法士が着替えの練習をしていて、両足のむくみがいつもより強いことに気づきました。記録で看護師に伝え、看護師が次の訪問でむくみと体重の変化を確かめました。主治医への報告書にも、その経過を書きました。

ご家族から伝えてほしい「いつもと違う」

ご家族が気づいたことも、大切な情報です。次のようなことがあれば、訪問のときに看護師かリハ職に伝えてください。

  • □ いつもより息切れする、疲れやすい
  • □ 足や顔がむくんでいる
  • □ 食事や水分の量が減った
  • □ 夜に眠れていない、昼間にうとうとしている
  • □ 薬が変わった、飲み忘れがある
  • □ ふらつく、転びそうになった、転んだ
  • □ 痛がる場所がある、熱っぽい

転んだときの観察と記録のしかたは、「転倒の”いつもと違う”に気づく」にまとめています。体調が急に悪くなったときは、リハビリの予定にかかわらず、主治医や訪問看護ステーションにご連絡ください。

「看護師も来る」に戸惑ったときの確認ポイント

看護師の訪問の予定や費用は、利用している訪問看護ステーションに確かめるのがいちばん確実です。確認するときの手がかりを、制度の面から整理します。

看護師の訪問日は、計画の中で決めます

看護師がいつ訪問するかは、計画書を作るときに事業所と相談して決めます。「リハビリの時間はそのまま確保したい」「看護師の訪問は家族がいる日にしてほしい」などの希望があれば、早めに伝えておきましょう。

費用は、訪問の内容によって変わります

千葉市の資料では、状態の評価だけを目的とした看護職員の訪問について、訪問看護費を算定することは適切ではないと説明されています。その場合も、訪問した日や内容は記録に残すことになっています。

一方で、看護師が療養上の世話や診療の補助を行えば、訪問看護として料金がかかります。ご自分の場合にどうなるかは、契約のときの重要事項説明書と、事業所からの説明でご確認ください。

事業所全体でも、看護とリハビリの回数の釣り合いが見られています

令和6年度(2024年度)の介護報酬改定で、リハ職による訪問看護の報酬が見直されました。改定の通知や告示は、厚生労働省の令和6年度介護報酬改定についてのページにまとめられています。

国の通知では、次のどちらかに当てはまる事業所は、リハ職による訪問看護の報酬が1回につき8単位減らされます。

  1. 前の年の4月から今年の3月までに、リハ職の訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている
  2. 看護職員の訪問回数がリハ職以上でも、算定する月の前6か月に、緊急時訪問看護加算・特別管理加算・看護体制強化加算をどれも算定していない

これは事業所ごとの実績で決まるしくみで、ご家族が手続きをするものではありません。ただ、国が訪問看護のリハビリを「看護と一緒に行うもの」として考えていることが、ここからも分かります。

訪問リハビリとの違いと、医療保険の場合

病院や介護老人保健施設から来る「訪問リハビリ」は、訪問看護とは別のサービスです。違いと選び方は、「訪問リハビリと訪問看護のリハビリの違い5つ」で比べています。

病気や年齢によっては、訪問看護を医療保険で使うこともあります。この記事は介護保険の場合を中心に説明しています。医療保険で使っている方は、看護師の訪問の扱いを、利用している訪問看護ステーションにお尋ねください。

あおい訪問看護ステーションの、看護師とリハ職のチーム

あおい訪問看護ステーションのスタッフは、看護師・理学療法士・作業療法士です。看護師とリハ職が同じ事業所にいるため、体調の変化とリハビリの進み具合を、1つのチームで見ています。

うかがう地域は、船橋市・鎌ケ谷市・市川市・白井市です。事業所の体制は、あおい訪問看護ステーションのページでご覧いただけます。

ケアマネジャーがまだいない方は、お住まいの地区の地域包括支援センター(=高齢者の総合相談窓口)にも相談できます。船橋市には14か所あり、担当の地区は船橋市地域包括支援センターのページで確かめられます。

よくある質問

Q1. リハビリだけお願いしたいのですが、看護師の訪問は断れますか。A. 介護保険の訪問看護でリハ職が訪問する場合、利用を始めるときと、少なくとも概ね3か月に1回程度は、看護師が訪問して状態を確かめることになっています。訪問の日時は事業所と相談できます。サービスの組み方そのものを見直したいときは、担当のケアマネジャーにご相談ください。

Q2. 看護師は何をしに来るのですか。A. 体調や全身の状態、薬、暮らしの様子を確かめ、計画書と報告書を作るための評価をします。リハ職と記録を共有し、必要に応じて主治医やケアマネジャーに伝えます。

Q3. リハビリの最中に体調が悪そうなときは、どうなりますか。A. リハ職はその日の練習の内容を調整し、同じ事業所の看護師に伝えます。看護師が様子を確かめ、必要に応じて主治医やケアマネジャーに連絡します。急に具合が悪くなったときは、予定にかかわらず主治医や訪問看護ステーションにご連絡ください。

Q4. 看護師の訪問にも料金はかかりますか。A. 訪問の内容によって変わります。状態の評価だけを目的とした看護師の訪問では、訪問看護費を算定することは適切ではないとされています。看護師が療養上の世話や診療の補助を行ったときは料金がかかるため、重要事項説明書と事業所の説明でご確認ください。

Q5. 病院から来る訪問リハビリとは、何が違いますか。A. 訪問リハビリは病院・診療所・介護老人保健施設などから来る別のサービスで、その事業所の医師の診療がもとになります。訪問看護のリハビリは、看護業務の一環として訪問看護ステーションのリハ職が行います。

Q6. 医療保険で訪問看護を使っている場合も、同じですか。A. この記事は介護保険の訪問看護を中心に説明しています。医療保険の訪問看護は別の決まり(診療報酬)で扱われるため、看護師の訪問の扱いは、利用している訪問看護ステーションにお尋ねください。

まとめとご相談窓口

訪問看護のリハビリで看護師も来るのは、制度の上で、リハ職の訪問が「看護業務の一環としてのリハビリ」とされているからです。看護師は利用開始時と、少なくとも概ね3か月に1回程度、状態が変わったときに訪問し、体調や全身の状態を確かめます。計画書と報告書は看護師とリハ職が連携して作り、リハビリの様子も主治医に届きます。

看護師の訪問の予定や費用、体調が変わったときの連絡の流れは、利用している訪問看護ステーションに確かめておきましょう。

株式会社True Colorsのあおい訪問看護ステーション(船橋市丸山3-1-2-202)では、看護師と理学療法士・作業療法士がチームでうかがいます。訪問看護のリハビリのご相談や、「看護師の訪問について説明を聞きたい」というご相談も受け付けています。対応エリアは船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市が中心です。

ご相談: 050-5536-3136(24時間受付) フォームからはお問い合わせページで「訪問看護のご相談」をお選びください。

※2026年11月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。

事例について。この記事の「現場の一言」と例1・例2は、複数のケースをもとに再構成したもので、特定の個人を指していません。

参考リンク(公式ページ)

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この記事を書いた人

金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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