ケアマネジャーの更新制は、法律で廃止が決まりました。国は2027年12月1日の施行を方針として示しています。一度交付を受けた資格は、期限で失効しなくなります。ただし、研修そのものはなくなりません。現役の研修時間はほぼ同じで、大きく短くする案が出ているのは、現場を離れていた人が戻るときの研修です。
この記事では、法律で決まったことと、案の段階のことを分けて整理しました。現役・主任・離職中・証が失効している人など、立場ごとの変わり方と、復職支援研修(案)の対象と流れ、復帰の前に確かめたいことをまとめています。
※2026年10月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。
ケアマネの更新制廃止|決まったことと、まだ案のこと
更新制の廃止そのものは、法律で決まっています。一方で、施行日や研修の時間数・中身は、国の審議会に示された案や方針の段階です。どちらの話かを分けて読むと、自分に関係する部分が見えやすくなります。

法律で決まったこと:更新制の廃止と、研修の継続
根拠は、社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)です。法律案の概要は、厚生労働省の第221回国会提出法律案のページで読めます。この法律で、介護保険法の介護支援専門員に関する規定が改正されます。
2026年10月26日の第137回社会保障審議会介護保険部会に出された資料では、改正の要点が次のように整理されています。
- 研修の受講を要件とした更新の仕組みを廃止する
- 一度交付を受けた資格は、期限で失効しなくなる
- 定期的な研修の受講は続く。ただし、柔軟に受けられるようにする
- ケアマネジャーを雇う事業者に、研修を受けられるよう必要な措置を講じる義務を課す(例:受講時間の確保、受講状況の確認)
施行日は、法律では「公布後1年6月以内に政令で定める日」とされています。
案・方針の段階のこと:施行日と研修の時間数
同じ資料で、施行日を「令和9年12月1日」(2027年12月1日)とする方針が示されました。研修の名称や時間数は、資料3「介護支援専門員法定研修の見直しの検討状況について(報告)」(PDF)の比較表に「見直し概要(案)」として載っています。今後の政令・省令や通知で確定していく部分です。
研修は、就業開始から5年(離職期間は含まない)をひと区切りとし、その間に分割して受ける形です。受講は、基本的にオンライン・オンデマンド形式とされています。講義部分は国が作る研修資材(動画・スライド)を使う方針で、資材は2027年4月から都道府県で使えるようにするとされています。研修のオンライン実施については、国が介護支援専門員研修オンライン実施の手引きも公表しています。
現役の研修時間は、ほとんど変わらない
いま働いているケアマネジャーの研修時間は、案の段階でもほぼ同じです。変わるのは、受け方(5年の間に分割・オンライン中心)と、受けそびれたときの扱いです。時間を大きく短くする案が出ているのは、復職のための研修です。
| 研修 | 現行 | 見直し後(案) |
|---|---|---|
| 就業後、最初の5年 | 専門研修Ⅰ 56時間+専門研修Ⅱ 32時間(計88時間) | 初任研修 42時間+定期研修 32時間(計74時間) |
| その後 | 更新のたびに32時間(2回目以降の更新研修) | 5年ごとに定期研修 32時間 |
| 主任ケアマネジャー | 主任更新研修 46時間 | 主任定期研修 46時間(主任研修の修了から5年ごと。最初の5年は不要) |
| 離職後に戻るとき | 再研修 54時間 | 復職支援研修 15.5時間 |
| 期間内に受けられなかったとき | 証が失効し、直ちに業務ができなくなる | 直ちに業務停止にはならない。都道府県が受講を促す |
時間数はいずれも「以上」です。研修を受けなくてよくなるわけではありません。正当な理由なく受けない人には、都道府県が受講を命じることができます。命令に従わないときは、1年以内の期間を定めて業務を禁止できる規定も、改正法に入っています。
介護報酬の側で検討されている論点は「2027年度介護報酬改定、在宅サービスの論点まとめ(10月版)」にまとめています。
立場別の早見表|現役・主任・離職中のケアマネはどう変わる?
同じ「更新制の廃止」でも、いま働いているか、離れているか、証が有効か失効しているかで、関係する部分が変わります。まず早見表で、自分がどこに当たるかを確かめてください。

| いまの立場 | 施行日(2027年12月1日の方針)まで | 施行後(案) |
|---|---|---|
| 現役で働いている | いまの更新の仕組みが続く | 施行日を起点に、5年の間に定期研修を受ける。最初の区切りは2033年3月まで |
| 2027年度に専門研修Ⅱ・更新研修・主任更新研修を修了した | 現行の研修として受ける | 2030年3月末まで受講が免除される |
| 施行日より前に有効期間が満了する | 現行どおり、更新研修と更新の手続きが必要。間に合わないと証は失効する | ― |
| 離職中で、証がまだ有効 | 有効期間内なら、そのまま働ける | 離職から3年以上なら、復職支援研修を修了してから就業 |
| 証がすでに失効している | 戻るには再研修(54時間)と証の交付申請 | 施行後も失効扱い。復職支援研修を受け、改めて申請すれば再交付が可能 |
いま働いている人:受け方が変わり、期限切れで失職しなくなる
施行日の時点で働いている人は、施行日を起点に、5年の間に定期研修を受けます。最初の区切りだけは、年度の始めにそろえるため2033年3月までとされています。2027年度に旧制度の研修を修了した人は、直近の制度を学んでいることから、2030年3月末まで受講が免除される案です。
事業者の側の手続きも加わります。ケアマネジャーを雇ったときや退職したときは、事業者が10日以内に都道府県へ「従事届」「非従事届」(仮称)を出す仕組みが示されています。現行の研修の全体像は、千葉県「介護支援専門員の資格と研修体系について」で確認できます。
施行日より前に有効期間が満了する人:いまのルールどおり更新が必要
施行日(2027年12月1日の方針)までは、現行の制度が続きます。有効期間がそれより前に満了する人は、いまのルールどおり更新研修を修了し、更新の手続きをする必要があります。間に合わないと、証は失効します。
すでに失効している証は、施行日以降も失効したものとして扱われます。改めて申請すれば再交付が可能とされ、その際は復職支援研修(案)の対象の一つになります。
有効期間の満了日と更新研修の時期は、千葉県「介護支援専門員資格をお持ちの方へ」のページと、お手元の介護支援専門員証の記載で確認してください。2026年10月時点で、このページに載っているのは現行の更新手続きです。更新制の廃止に伴う経過措置の通知は、まだ掲載されていません。
主任ケアマネジャー:46時間は同じ、5年ごとの区切りに
主任ケアマネジャーは、主任更新研修(46時間)が主任定期研修(46時間)に変わる案です。時間は同じで、主任研修の修了日から5年をひと区切りに、その間に分割して受けます。主任研修を修了してから最初の5年間は、主任定期研修を受けなくてよいとされています。
復職支援研修(案)とは|現場を離れたケアマネさんが戻るときの研修
復職支援研修は、いまの再研修(54時間以上)に代わって新しく設けられる予定の研修です。離職している間に変わった制度などを学び直すことが目的で、案では15.5時間以上とされています。離職している間は研修の受講義務が外れ、戻るときにこの研修を受ける形です。

対象になるのは3つのケース(案)
資料の比較表では、次の人が対象とされています。
- 直近の退職日から3年以上たち、もう一度働きたい人
- 登録後、実務経験がないまま3年以上たち、働きたい人
- 証がすでに失効していて、働きたい人
一方で、次の人は対象外とされています。
- 施行前に離職し、3年たっていない人
- 離職して3年以上たっていても、定期研修や主任定期研修を続けて受けている人
復職の流れは「申込み→修了→就業開始」
資料には、復職にあたっては復職支援研修の受講を申し込み、修了してから(修了証を添えて)就業を始める流れが示されています。働き始めたあとは、定期研修の流れに入ります。雇った事業者は、10日以内に都道府県へ「従事届」(仮称)を出します。
離職のほか、育児などによる休職や、災害などでやむを得ず受けられない期間は、研修の受講期間から除かれます。育休や病気休職で一定期間研修を受けにくいときは、事業者が「非従事届」(仮称)を出す仕組みも示されています。
再研修54時間との違いと、まだ分からないこと
| 項目 | いまの再研修 | 復職支援研修(案) |
|---|---|---|
| 時間 | 54時間以上 | 15.5時間以上(分割して受けられる) |
| 主な対象 | 有効期間が満了した人などで、証の交付を希望する人 | 上の3つのケース |
| 千葉県の受講者負担 | 50,800円(2024年度・国の資料の一覧) | 示されていない |
| 日程・申込み | 千葉県社会福祉協議会が実施 | 示されていない |
費用と日程は、2026年10月時点ではまだ示されていません。国会の附帯決議では、研修の費用負担を軽くする補助のあり方や、潜在ケアマネジャーの復職支援に取り組むことが求められています。具体的な形は、今後の国と千葉県の発表を待つ必要があります。
2027年12月より前に復帰したいときは|いまの制度での戻り方
施行日より前に働き始めるなら、いまの制度で戻ることになります。証が有効か失効しているかで、手順が分かれます。
証が有効なら、そのまま働ける(満了日に注意)
有効期間の内側なら、いまの制度でも、そのままケアマネジャーとして働けます。気をつけたいのは満了日です。満了日が近い場合は、更新研修を修了して更新の手続きをしないと、証が失効します。
国の資料では、更新研修は実務経験者が88時間以上(2回目以降は32時間以上)、実務未経験者が54時間以上とされています。研修の日程は、千葉県「介護支援専門員(ケアマネジャー)の研修について」に載っています。
失効しているなら、千葉県では再研修(54時間)から
千葉県では、有効期間の満了日までに更新の申請をしなかった人は、再研修(54時間以上)を受けたうえで、証の交付を申請します。実務経験の有無は問われません。再研修は更新のための研修ではなく、次の更新は初回の更新として扱われます。
再研修の実施機関は、千葉県社会福祉協議会です。2026年度は2回の日程が県のページに載っていますが、どちらも募集期間は終わっています。次の募集時期は、県と実施機関のページで確認してください。
施行を待つか、いま戻るか
失効している人が施行日より前に戻るなら、再研修(54時間)が必要です。施行日のあとに戻るなら、復職支援研修(案では15.5時間)の対象になります。ただし、復職支援研修の時間数・費用・日程は、まだ確定していません。
どちらがよいかは、働き始めたい時期、研修に使える時間、家計の事情で変わります。急がないなら、2027年に入って示される国と千葉県の案内を見てから決める方法もあります。早く戻りたいなら、いまの再研修の募集時期を確かめておくと、予定を立てやすくなります。
復帰の前に確かめたい6つのこと|証・登録・職場の研修の扱い
復帰を考え始めたら、まず手元の証と登録の状況を確かめます。そのうえで、働く職場が研修をどう扱うかを聞いておくと、戻ってからの負担を見通しやすくなります。
手元で確かめる6つのチェックリスト
- □ 介護支援専門員証の有効期間の満了日
- □ 証が有効か、すでに失効しているか
- □ 最後にケアマネジャーとして働いた日(直近の退職日)から何年たったか
- □ 登録している都道府県(千葉県以外か)
- □ 登録したあと、氏名などが変わっていないか
- □ 戻りたい時期が、施行日(2027年12月1日の方針)の前か後か
他県で登録した人、氏名が変わった人
他の都道府県で登録した人が千葉県の事業所で働くときは、登録の移転を申請できます。氏名が変わった場合は、登録事項の変更届出書を出します。証の交付を受けている人は、あわせて書換え交付の手続きをします。様式は、千葉県の「介護支援専門員資格をお持ちの方へ」のページにまとまっています。
職場に聞いておきたい「研修の扱い」
改正後は、ケアマネジャーを雇う事業者に、研修を受ける機会を確保する措置の義務が課されます。国の資料では、勤務時間中に受ける研修の時間を労働時間とみなすことや、受講しやすいよう業務の配分や人員の配置を工夫することが想定されています。
面談では、次の点を聞いておくと安心材料になります。
- 研修を勤務時間内に受けられるか
- 受講料をどう扱うか(資料では負担の定めが示されていないため、職場ごとに確認)
- 戻ってすぐの担当件数と、相談できる先輩や管理者がいるか
求人票の手当の見方は「ケアマネも処遇改善加算の対象に|求人票の手当の読み方」で紹介しています。福祉の仕事の求人は、千葉県社会福祉協議会が運営する千葉県福祉人材センターでも探せます。国のケアマネジャー関連の施策は、厚生労働省の介護職員・介護支援専門員のページにまとまっています。
よく聞く相談
復帰を考えている方から、次のような相談をよくいただきます。
「子育てで何年も離れていて、証の期限も切れているはず。もう戻れないのでは」戻る道はあります。施行前なら再研修、施行後なら復職支援研修(案)が入口です。まず、証の満了日を確かめるところから始めます。
「施設のケアマネしか経験がない。居宅で働けるか不安」居宅の仕事の流れは「居宅のケアマネとして働く魅力とは?施設ケアマネとの違いと1日」で紹介しています。
「制度がずいぶん変わっていそうで、ついていけるか心配」復職支援研修(案)は、離れていた間の制度変更などを学び直すための研修とされています。職場の面談で、戻ってすぐの担当件数や相談の体制を聞いておくと、見通しを立てやすくなります。
この記事の「よく聞く相談」は、複数のご相談をもとに再構成したもので、特定の個人を指していません。
よくある質問
Q1. ケアマネジャーの更新制はいつ廃止されますか。A. 法律では「公布後1年6月以内に政令で定める日」とされています。厚生労働省は2026年10月26日の社会保障審議会介護保険部会の資料で、2027年12月1日を施行日とする方針を示しました。施行日までは、いまの更新の仕組みが続きます。
Q2. 2027年に有効期間の満了日が来ます。更新研修は受けなくていいですか。A. 施行日(2027年12月1日の方針)より前に満了する場合は、いまのルールどおり更新研修と更新の手続きが必要です。間に合わないと証は失効します。満了日は、お手元の証と千葉県のページで確認してください。
Q3. 証が失効しています。もう一度ケアマネジャーとして働けますか。A. 働けます。いまの制度では、千葉県の再研修(54時間以上)を受けて証の交付を申請します。施行後は、失効した証は失効扱いのままですが、復職支援研修(案)を受けて改めて申請すれば再交付が可能とされています。
Q4. 復職支援研修は何時間で、いつから受けられますか。A. 2026年10月時点の案では15.5時間以上で、分割して受けられる形です。施行日(2027年12月1日の方針)からの新しい研修体系の一つですが、費用や日程はまだ示されていません。
Q5. 現役のケアマネジャーの研修は短くなりますか。A. ほとんど変わりません。案では、就業後最初の5年の研修が88時間から74時間になりますが、その後の定期研修は32時間、主任定期研修は46時間で、いまと同じです。変わるのは、5年の間に分割してオンラインで受けられる点と、期限切れで直ちに業務停止にならない点です。
Q6. 育休や病気で休んでいる期間は、研修の期限に数えられますか。A. 案では、離職のほか、育児などによる休職や、災害などでやむを得ず受けられない期間は、研修の受講期間から除かれます。休職中は、事業者が「非従事届」(仮称)を出す仕組みが示されています。
まとめとお問い合わせ
ケアマネジャーの更新制は、法律で廃止が決まりました。施行日は2027年12月1日の方針で、研修の時間数や復職支援研修の中身は、まだ案の段階です。現役の研修時間はほとんど変わりませんが、現場を離れていた人が戻るときの研修は、54時間から15.5時間に短くする案が示されています。施行日より前に有効期間が満了する人は、いまのルールどおり更新が必要です。
株式会社True Colorsは、船橋市であおいケアプランセンター(船橋市丸山5-23-5)とあやめケアプランセンター(船橋市三咲2-13-24)を運営しています。2事業所あわせてケアマネジャー7名の体制です(2026年8月時点)。資格取得後の実務が未経験の方や、ブランクのある方からのご相談も受け付けています。当社のケアマネジャーの募集内容は「船橋市のケアマネ求人|加算連動手当で加算の約半分を還元」で紹介しています。
復帰のご相談・事業所の見学: あおいケアプランセンター 050-5805-1070(平日9:00〜17:00)/あやめケアプランセンター 050-5865-9108(平日9:00〜18:00) 「証の期限が切れているけれど戻れるか」「いつ戻るのがよいか」といった段階からお話を伺います。
※2026年10月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。
参考リンク(公式ページ)
- 第137回社会保障審議会介護保険部会(厚生労働省)
- 介護支援専門員法定研修の見直しの検討状況について(報告)(第137回介護保険部会 資料3・PDF)
- 第221回国会(令和8年特別会)提出法律案(厚生労働省)
- 社会福祉法等の一部を改正する法律案の概要(厚生労働省・PDF)
- 介護保険法(e-Gov法令検索)
- 介護支援専門員研修オンライン実施の手引きについて(厚生労働省)
- 介護職員・介護支援専門員(厚生労働省)
- 介護支援専門員資格をお持ちの方へ(千葉県)
- 介護支援専門員の資格と研修体系について(千葉県)
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)の研修について(千葉県)
- 介護支援専門員の養成(千葉県社会福祉協議会)
- 千葉県福祉人材センター(千葉県社会福祉協議会)

