「訪問診療と訪問看護、どちらをお願いすればいいですか」。名前が似ているので、混同されるのはもっともだと思います。
結論から言うと、どちらか一方を選ぶものではなく、両方を組み合わせて使うのが基本です。この記事では、それぞれ誰が来て何をするのか、費用はどこから出るのか、どちらから始めればよいのかを整理します。※2026年9月時点の情報です。
いちばんの違いは「誰が来るか」と「何をするか」

| 訪問診療 | 訪問看護 | |
|---|---|---|
| 来る人 | 医師(看護師などが同行することも) | 看護師、理学療法士・作業療法士など |
| 主にすること | 診察、診断、薬の処方、検査、治療方針の決定 | 体調の観察、医療的な処置、服薬の管理、リハビリ、療養の相談 |
| 頻度の目安 | 月1〜2回の定期訪問が中心 | 週1〜数回。状態により毎日のことも |
| 指示を出す人 | 医師自身 | 主治医(訪問看護指示書) |
ひとことで言えば、訪問診療は「診て、決める」。訪問看護は「支えて、見守る」。役割が違うので、比べるものではありません。
訪問看護の指示は、訪問診療の医師から出ます
ここが両者の関係を理解するうえで大事な点です。訪問看護は、主治医が交付する訪問看護指示書がなければ始められません。訪問診療を受けている方の場合、その指示書を出すのが訪問診療の医師です。

つまり、訪問診療と訪問看護は上下関係でも競合関係でもなく、指示を出す側と、それを日々の療養に落とし込む側という組み合わせです。医師は月に1〜2回しか来られませんが、その間の変化を見て医師に伝えるのが訪問看護の役割になります。
費用の出どころ
訪問診療は医療保険から支払われます。訪問看護は、状態や病名によって医療保険になる場合と介護保険になる場合があります。要介護認定を受けている方は原則として介護保険ですが、末期の悪性腫瘍や厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合、特別訪問看護指示書が出ている期間は医療保険になります。
どちらになるかは「訪問看護は医療保険と介護保険どっち?自己負担の目安を解説」で詳しく説明しています。判定に迷いやすい別表7・別表8は「別表7・別表8 早見表|訪問看護の医療保険・週4日以上の判定」をご覧ください。
費用を軽くする制度もあります。「訪問看護の自己負担が高いと感じたら|使える軽減制度の一覧」にまとめました。
どちらから始めるか

かかりつけ医がいて、通院が続けられる場合
まずは訪問看護から、という組み方があります。通院はこれまでどおり続けて、家での療養を訪問看護が支える形です。かかりつけ医に訪問看護指示書を書いてもらえるか相談するところから始まります。
指示書のことでつまずいたときは「訪問看護指示書を書いてくれないとき|相談の進め方4ステップ」が参考になります。
通院そのものが難しくなってきた場合
訪問診療の導入を検討する時期です。診察を受けるために毎回タクシーを手配して、付き添って、待合室で長く待つ。それが負担になっているなら、医師に来てもらうほうが本人もご家族も楽になります。
退院が決まっている場合
入院中に、病院の地域連携室に相談してください。訪問診療の医師と訪問看護ステーションを、退院前に同時に決めておけると、退院当日から体制が整います。「退院後の生活が不安な方へ|退院前カンファレンスと訪問看護の準備」をご覧ください。
訪問介護(ヘルパー)とも役割が違います
もうひとつ混同されやすいのが訪問介護です。こちらは介護福祉士やホームヘルパーが、入浴や排泄の介助、家事の援助を行います。医療的な処置はできません。
違いは「訪問介護と訪問看護の違い|どっちを使う?併用はできる?」にまとめています。
まとめ
- 訪問診療は医師が来て診察・処方をする。訪問看護は看護師などが来て観察・処置・相談をする
- 訪問看護の指示書を出すのは主治医。訪問診療を受けていれば、その医師が出す
- 訪問診療は医療保険。訪問看護は状態によって医療保険か介護保険か分かれる
- どちらか選ぶのではなく、両方を組み合わせるのが基本
どこから手をつければよいか分からないときは、いまの状況をそのままお話しください。訪問看護が先か、訪問診療が先か、ケアマネジャーが先かも含めて一緒に考えます。
あおい訪問看護ステーション(千葉県船橋市丸山3-1-2-202)
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