転倒の”いつもと違う”に気づく:訪問看護の観察ポイント

転倒の"いつもと違う"に気づく:訪問看護の観察ポイント|あおい訪問看護ステーション

高齢のご家族の転倒は、「いつもと違う」変化と重なって起きることがあります。歩き方やふらつき、夜のトイレ、薬が変わったあとの様子などです。こうした変化に気づいて短く書きとめ、訪問看護やケアマネジャー、主治医に伝えると、早めに相談するきっかけになります。ただし、観察や予防策で転倒をなくすことはできません。

この記事では、家族が見られる「いつもと違う」10のサイン、記録のコツと伝え先、転んだときや頭を打ったときの受診と119番の目安をまとめました。訪問看護の看護師が訪問で何を見て、どう記録し、誰と共有しているかも紹介します。

※2026年10月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。

目次

転倒の「いつもと違う」に気づくことが大切な理由

転倒に向き合うときは、予防の工夫に加えて、ふだんとの違いに早く気づき、書きとめて伝えることが大切です。国が示した事故報告の様式案にも、事故の前の様子を書く欄があります。骨折・転倒は介護が必要になる原因の上位で、しかも転倒は、予防策をとっていても一定の確率で起こるからです。

転倒の「いつもと違う」に、気づく・書きとめる・伝えるの3ステップで向き合う流れの図。伝える相手は訪問看護、ケアマネジャー、主治医。

国の事故報告の様式案に「事故の前の様子」を書く欄があります

厚生労働省は2026年10月21日、介護現場で事故が起きたときの報告について、事務連絡を出しました。介護保険最新情報のVol.1548として、事故報告書の様式の見直し案が示されています。

事故報告書は、介護サービスの事業所が市区町村に出す書類です。ご家族が書くものではありません。

案では、「事故の概要」の中に「事故発生前の利用者の状況・状態」という欄があります。記入の指示は「事故発生前の利用者の心身の状態(普段の様子との違い、疲労度や眠気等)を記入すること」です。原因の分析と再発防止策も、利用者の状態の変化や環境・設備、職員間の情報共有などの観点ごとに書く形です。

様式の内容はまだ調整中で、国は「現時点の案」としています。事故情報を全国で集めて分析する報告システムは、2027年4月ごろから動かす予定とされています。

事故の瞬間だけでなく、その前の「普段との違い」も書きとめる。この考え方は、ご家庭での見守りにも生かせます。

転倒・骨折は、介護が必要になる原因の上位です

厚生労働省の2025年の国民生活基礎調査は、介護が必要になった主な原因をたずねています。在宅で要介護の認定を受けている方では、「認知症」(23.6%)に次いで多いのが「骨折・転倒」(14.8%)でした。

転倒は、家の中のふだんの動作の中で多く起きています。東京消防庁の救急搬送データからみる高齢者の事故によると、令和2年からの5年間で、65歳以上の方の日常生活の事故は「ころぶ」が8割以上でした(「その他」「不明」を除く)。令和6年の「ころぶ」事故の発生場所は住宅などが最も多く、その中では居室・寝室が最も多いとされています。東京都のうち、稲城市と島しょ地区を除く地域のデータです。

予防策をとっていても、転倒は一定の確率で起こります

日本老年医学会と全国老人保健施設協会は、2021年に介護施設内での転倒に関するステートメント(PDF)をまとめました。転倒の原因はきわめて多彩で複合的なため、予防対策の有無にかかわらず、一人ひとりのリスクに応じて一定の確率で起こる、としています。

同じステートメントは、転倒のリスクを評価し、リスクが高い人には積極的に対策をとることが勧められているとも書いています。そのうえで、転倒が高齢期に多くみられる症状の一つであることを、職員と本人・家族などの間であらかじめ共有することが望ましいとしています。介護施設向けの文書ですが、ご家庭で考えるときにも参考になります。

ですから、観察と記録の目的は「転倒をなくすこと」ではありません。変化に早く気づき、主治医やケアマネジャーと早めに相談するためのものです。

家族が見られる「いつもと違う」10のサイン|転倒の観察ポイント

ご家族に見ていただきたいのは、ここ数日から数週間で「変わったこと」です。消費者白書(令和5年版)のコラムは、転倒・転落の主な原因として、筋力や視力・聴力の低下、認知機能の低下、運動不足、病気や薬の影響を挙げています。どれも、ふだんの様子と比べることで気づける変化です。

家族が見られる「いつもと違う」10のサインのチェックリスト。歩き方、ふらつき、立ち上がり、夜のトイレ、食事と水分、熱やだるさ、痛み、見え方、頭のはたらき、薬の変化。

次の10項目のうち、最近変わったものに印をつけてみてください。

チェック見るところ「いつもと違う」の例
□歩き方歩幅が小さくなった、すり足になった、つまずきが増えた
□ふらつき立ち上がった直後や歩き始めにふらつく、立ちくらみを訴える
□立ち上がり椅子やベッドから立つとき、つかまる所が増えた・時間がかかる
□夜のトイレ夜中にトイレへ起きる回数が増えた、急いで向かう
□食事・水分食べる量や飲む量が減った、口が渇く、何となく元気がない
□熱・だるさ熱がある、だるそう、呼びかけへの反応がいつもより鈍い
□痛み腰や膝、足の痛みで歩き方が変わった
□見え方・聞こえ方物にぶつかる、段差を見落とす、呼びかけに気づきにくい
□頭のはたらき急にぼんやりする、時間や場所が分からなくなる、話がかみ合わない
□薬新しい薬が始まった、量や種類が変わった、薬が増えた

印がついたら、次の「記録と伝え先」に進んでください。1つでも気になれば、伝えてかまいません。

動き方の変化:歩き方・ふらつき・立ち上がり

先のステートメントは、施設の入所者によくみられる転倒・骨折のリスク因子として、小刻み歩行やバランス能力の低下、めまい・ふらつき、筋力の低下などを挙げています。歩幅やつまずきの変化は、毎日そばにいるご家族が気づきやすいところです。

消費者庁「高齢者の家庭内での転倒事故に注意しましょう!」は、立ち上がるときやベッドから起きてトイレに行くときなど、体勢を変えるときはゆっくり慎重に、と呼びかけています。立ち上がりでつかまる所が増えた、時間がかかるようになった、という変化も書きとめておきましょう。

体調の変化:食事・水分・熱・痛み

健康長寿ネットの脱水症の解説では、脱水になると口の渇きや体のだるさ、立ちくらみを訴えることが多いとされています。高齢の方は軽い脱水では症状が出にくく、「何となく元気がない」ときにも脱水の可能性があると書かれています。

食べる量や飲む量が減ったときは、コップ何杯くらいかといった目安もメモしておくと伝えやすくなります。熱がある、急にだるそうになったという変化も、転倒の心配とは別に、体調の変化として早めに伝えてください。

腰や膝の痛みも、ステートメントで転倒のリスク因子に挙げられています。痛い足をかばって、歩き方が変わっていないかも見てみましょう。

夜のトイレ・見え方・頭のはたらきの変化

ステートメントは、夜間頻尿(=夜中に何度もトイレに起きること)や失禁の経験を、焦ってトイレに行く場面と結びつけてリスク因子に挙げています。視力の低下や視野の狭さ、難聴(=耳の聞こえにくさ)も、同じくリスク因子に挙げられています。

急にぼんやりする、話がかみ合わないといった変化にも気をつけます。健康長寿ネットのせん妄の解説では、せん妄は時間や場所が急にわからなくなることから始まる場合が多いとされています。原因には病気や薬、脱水、インフルエンザや尿路感染症などが挙げられ、せん妄のある高齢者は転倒なども起こしやすいと書かれています。

薬が始まった・変わった・増えたあと

厚生労働省の高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)(PDF)は、ふらつき・転倒を起こしうる薬として、降圧薬(血圧の薬)、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬などを挙げています。同じ指針は医療者に向けて、生活に変化が出たり新しい症状が出たりしたときは、まず薬が原因ではないかと疑ってみる、としています。

健康長寿ネットのポリファーマシーと転倒では、血圧の薬で血圧が下がりすぎたときや、糖尿病の薬で血糖が下がりすぎたとき(低血糖)にも転倒が起こると説明されています。ポリファーマシーとは、薬の種類が多いことに関連して、副作用や飲み間違いなどの問題につながる状態のことです。

ただし、厚生労働省の指針は医師や薬剤師などに向けたもので、患者や家族は利用対象としていないと書かれています。薬をやめたり減らしたりせず、気づいた変化を主治医や薬剤師、訪問看護の看護師に伝えてください。

現場の一言です。「眠る前の薬が変わってから、朝トイレに行くときの足取りが危なっかしい」。ご家族のこの一言を、看護師が日付と時刻を添えて主治医に報告したことがあります。薬をどうするかを決めるのは主治医です。

訪問看護に薬の管理を頼めるかどうかは、「服薬管理は訪問看護に頼める?残薬・飲み忘れの4つの支援【船橋市】」で紹介しています。

気づいたことの記録と伝え先|訪問看護・ケアマネジャー・主治医

「いつもと違う」に気づいたら、5つの項目を1行ずつ書きとめておくと、相談のときに伝わりやすくなります。国の事故報告の様式案も、発生した時間帯や場所、事故の前の状態、発生時の状況と対応などを順に書く形です。同じ順で書いておくと、看護師や主治医が状況をつかみやすくなります。

「いつ・どこで・何をしていて・どう違ったか・そのあと」の5項目で書く記録メモの見本。夜中のトイレの途中で壁に手をついてふらついた例と、伝える相手。

記録は「いつ・どこで・何をしていて・どう違ったか・そのあと」

項目書くこと記録の例
いつ日付と、だいたいの時刻10月20日の夜中2時ごろ
どこで家の中の場所寝室からトイレへ行く廊下
何をしていてそのときの動作ベッドから起きて、トイレへ向かう途中
どう違ったかふだんとの違いいつもは手をつかずに歩くが、壁に手をついてふらついた
そのあと転んだか、けが、本人の様子、したこと転ばずに寝室へ戻った。朝食はいつもどおり食べた

最近、薬が変わった場合は、その日付も添えてください。記録の例は、複数のケースをもとに再構成したものです。

「よく転ぶ」より「いつ・何回」が手がかりになります

現場の一言です。看護師がご家族から様子を伺うとき、「最近よく転ぶ」だけでは、いつ・どんな場面かが分かりません。「この1週間で2回、夜中のトイレの帰りにふらついた」と分かれば、夜の動き方や薬の時間との関係を、主治医と一緒に考えやすくなります。

書く場所は、カレンダーの余白やスマートフォンのメモで十分です。訪問看護やヘルパーとの連絡ノートがあれば、そこに書くと共有しやすくなります。

誰に、いつ伝えるか

伝える相手こんなときに一緒に伝えるもの
訪問看護の看護師(利用中の方)訪問のとき。次の訪問を待たずに相談したいときは電話で記録メモ、測れたら体温など
担当のケアマネジャー動き方が変わり、福祉用具やサービスの見直しが要りそうなとき記録メモ、困っている場面
主治医・かかりつけ医薬が変わったあとの変化、受診が必要か迷うとき記録メモ、お薬手帳
かかりつけ薬局の薬剤師薬の飲み方や飲み合わせが気になるときお薬手帳、市販薬やサプリメント
地域包括支援センター介護サービスをまだ使っておらず、相談先が分からないとき記録メモ

市販薬やサプリメントも伝えるのは、厚生労働省の指針が、処方薬だけでなく一般用医薬品やサプリメントも含めて、使っている薬の全体を確かめるよう医療者に求めているためです。

船橋市地域包括支援センターは、高齢の方やその家族の介護・福祉・医療・健康・認知症などの相談に応じる窓口で、市内に14か所あります。

転んだとき・頭を打ったときの受診と119番の目安

命に関わる症状があるときは、迷わず119番に電話してください。頭を打ったときは、本人が元気そうでも、主治医か利用中の訪問看護ステーションに連絡して、受診が必要か相談します。救急車を呼ぶか迷うときは、千葉県の#7119が使えます。

転んだときや頭を打ったときの電話の使い分けを示した図。意識の異常や片側の手足の麻痺などは119番、頭を打ったら元気そうでも主治医か訪問看護に相談、迷うときは千葉県の#7119。

すぐに119番を考える症状

厚生労働省の上手な医療のかかり方「こんな時は迷わず119へ」には、消防庁のリーフレットをもとに、高齢者で迷わず119番とされる症状が載っています。一部を挙げます。

体の部位迷わず119番とされている症状の例(高齢者)
頭突然の激しい頭痛、突然の高熱、急にふらつき立っていられない
顔顔半分が動きにくい・しびれる、ろれつがまわりにくい、見える範囲が狭くなる、周りが二重に見える
手・足突然のしびれ、突然片方の腕や足に力が入らなくなる

このほか、意識の障害やけいれんなども項目に挙がっています。転んで痛みが強く立ち上がれないなど、判断に迷うときは#7119に相談できます。

頭を打ったときは、元気そうでも相談を

日本医療安全調査機構の提言(第9号)は、病院に入院中の方の転倒・転落による頭のけがの事例を分析したものです。頭を打った直後に意識などの異常がなくても、その後急に悪くなることがあると注意を呼びかけています。血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を飲んでいる人では、頭の中の出血の可能性を意識するよう求めています。

入院中の方の分析ですが、ご自宅で頭を打ったときも参考になります。本人が「大丈夫」と言っていても様子見だけで済ませず、主治医か利用中の訪問看護ステーションに連絡して、受診が必要か相談してください。電話では、血液を固まりにくくする薬を飲んでいるかどうかも伝えます。

介護施設向けの先のステートメントは、転倒を見つけた職員がまず確かめることの例として、けがの場所、声かけへの反応、頭痛や吐き気、動いたときの痛み、吐いた・手足が動きにくいといった様子を挙げています。ご家庭でも、電話で様子を伝えるときの目安になります。

現場の一言です。「転んだけれど、本人は大丈夫と言っている」というお電話では、看護師は、いつ・どこで・頭のどのあたりを打ったか、いまの受け答えはどうかを伺います。血液を固まりにくくする薬を飲んでいるかも確かめ、主治医への連絡や受診を一緒に考えます。

迷ったときの電話相談と、119番のかけ方

千葉県の救急安心電話相談(#7119)は、具合が悪く、受診するか救急車を呼ぶか迷ったときに相談できる窓口です。24時間365日受け付けており、原則として看護師が応じます。ダイヤル回線・IP電話からは043-216-3668にかけます。

同じページには、治療中の病気の治療方針や薬の使い方、介護の相談は受けられないと書かれています。ふだんの病気や薬のことは、主治医か契約中の訪問看護ステーションにご相談ください。

スマートフォンでは、消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」で、症状を選んで緊急度に応じた対応を確かめることもできます。

119番では、救急であること、住所、具合の悪い方の様子を、聞かれる順に答えます。船橋市「119番通報 落ち着いて、要領よく」は、市境の近くで携帯電話からかけると他市につながることがあるため、住所は「船橋市」から伝えるよう案内しています。

訪問看護を利用中の方の夜間・休日の連絡のしかたは、「24時間365日対応の訪問看護とは?緊急時の仕組みと安心の理由」で説明しています。

訪問看護の看護師が訪問で観察・記録・共有していること

訪問看護の看護師は、訪問のたびに体の状態と暮らしの様子の両方を見て、前回との違いを記録し、主治医やケアマネジャーと共有します。ご家族の「いつもと違う」という一言は、その大事な材料です。ここでは、訪問看護の仕事に関心のある看護師の方にも向けて、仕事の中身を紹介します。

介護サービス情報公表システムの「訪問看護」の説明では、訪問看護は看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行うサービスです。サービスの全体像は「訪問看護とは?サービス内容・対象者・利用条件を看護師が解説」にまとめています。

訪問のたびに確かめること

介護保険のサービスのルールを定めた指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準は、訪問看護の提供にあたって、利用者の病状、心身の状況、置かれている環境を常に的確に把握するよう求めています(第68条)。訪問で看護師が確かめることの例は次のとおりです。利用者の状態によって変わります。

  • 体温・脈・血圧・呼吸などのバイタルサイン(=体の状態を示す値)
  • 歩き方、立ち上がり、ベッドや椅子への移り方
  • 表情や会話、受け答えの様子(前回の訪問との違い)
  • 食事・水分・排せつ・睡眠(夜中のトイレの回数を含む)
  • 薬の飲み方、残っている薬、新しく始まった薬
  • 皮膚の様子(あざ、傷、むくみ)
  • 家の中の動線、段差、照明、履物
  • ご家族の疲れぐあいや困りごと

記録と主治医への報告

同じ基準では、訪問看護を始めるときに主治医の指示を文書で受け、訪問看護計画書と訪問看護報告書を主治医に出すことになっています(第69条・第70条)。報告書には、訪問日や提供した看護の内容などを書きます。医療保険の訪問看護も、指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準に同じ趣旨の定めがあります。

看護記録は、次に訪問する看護師やリハビリ職が読んで、同じ目線で変化を追えるように書きます。たとえば次のような書き方です。

記録の例(複数のケースをもとに再構成):「玄関の上がり口で、今回は手すりを使って上がった(前回は使わず)。ご家族のメモでは、この1週間に夜中のトイレが3回あり、うち1回は廊下でふらついた。主治医に報告し、ケアマネジャーにも共有した。」

また、訪問看護の提供によって事故が起きたときは、市町村、ご家族、担当のケアマネジャーに連絡し、事故の状況と対応を記録することが基準で決められています(第37条を訪問看護に準用)。

ケアマネジャー・リハビリ職との共有

基準は、訪問看護の事業者に、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所などとの密接な連携に努めるよう求めています(第64条)。歩き方や住まいの困りごとをケアマネジャーに伝えると、福祉用具やサービス内容の見直しを相談するきっかけになります。

あおい訪問看護ステーションには、看護師のほか理学療法士(PT)と作業療法士(OT)がいます。必要に応じて、動き方や住まいの環境を看護とリハビリの両方の目で見ることができます。

手すりや段差など住まいの準備は、「その手すり、付ける前にひと声を|退院前の住まいの準備は、ケアマネ・訪問看護・リハ職と一緒に」で詳しく紹介しています。腹膜透析をしている方の例ですが、リハビリ職の視点で家の中を見直した記事「腹膜透析のある暮らしを支える『家の環境』|資材の置き場所と転倒予防」もあります。

訪問看護の仕事に関心のある看護師の方へ

病院では、検査や24時間の観察で変化を追えます。在宅では、限られた訪問の時間と、ご家族の記録から変化を読み取ります。

そのため訪問看護では、ご家族の「いつもと違う」を丁寧に聞き取り、記録に残し、主治医やケアマネジャー、リハビリ職につなぐことが、仕事の大きな部分を占めます。訪問看護の看護師の働き方は「看護師募集」のページで紹介しています。

よくある質問

Q1. 転倒の「いつもと違う」サインには、どんなものがありますか。A. 歩き方の変化、立ち上がった直後のふらつきや立ちくらみ、夜のトイレの回数の増加、食事や水分の減少、見え方の変化、急にぼんやりする、薬が変わったあとの変化などです。ここ数日から数週間で変わったことがあれば、書きとめて訪問看護やケアマネジャー、主治医に伝えてください。

Q2. 観察や記録をすれば、転倒はなくなりますか。A. 観察や記録だけで転倒をなくすことはできません。日本老年医学会などのステートメントでも、予防策をとっていても転倒は一定の確率で起こるとされています。変化に早く気づき、早めに相談するきっかけとして役立ててください。

Q3. 転んで頭を打ちましたが、本人は元気です。様子を見てよいですか。A. 様子見だけで済ませず、主治医か利用中の訪問看護ステーションに連絡して、受診が必要か相談してください。頭を打った直後に異常がなくても、その後急に悪くなることがあると指摘されています。意識がおかしい、片方の手足に力が入らないなどのときは119番、迷うときは千葉県の#7119に電話できます。

Q4. 薬が変わってからふらつくようです。薬をやめてもよいですか。A. 自己判断でやめたり減らしたりせず、主治医か薬剤師に相談してください。ふらつきが出た日付や時刻、そのときの様子を書きとめておくと、主治医が判断する材料になります。

Q5. 国の事故報告の様式案は、家族が書くものですか。A. いいえ。介護サービスの事業所が市区町村へ出す事故報告書の様式案です。2026年10月時点では内容を調整中の「現時点の案」で、国は事故情報の報告システムを2027年4月ごろから動かす予定としています。

Q6. 訪問看護では、転倒について何をしてもらえますか。A. 訪問のたびに体調や歩き方、住まいの環境を確かめ、変化を記録して主治医やケアマネジャーと共有します。あおい訪問看護ステーションでは、看護師に加え、必要に応じて理学療法士・作業療法士も動き方や環境を見ます。利用には主治医の指示が必要なため、主治医か担当のケアマネジャー、または当ステーションにご相談ください。

まとめとお問い合わせ

転倒の「いつもと違う」は、歩き方やふらつき、夜のトイレ、食事や水分、見え方、頭のはたらき、薬の変化などに表れることがあります。ここ数日から数週間で変わったことを、「いつ・どこで・何をしていて・どう違ったか・そのあと」の順に書きとめ、訪問看護やケアマネジャー、主治医に伝えてください。

観察や記録で転倒をなくすことはできませんが、早めに相談するきっかけになります。頭を打ったときは元気そうでも相談を。命に関わる症状があれば、119番を先にしてください。

あおい訪問看護ステーション(船橋市丸山3-1-2-202)は、船橋市・市川市・鎌ケ谷市・白井市を中心に訪問しています。「最近ふらつきが増えた」「薬が変わってから様子が違う」といったご家族のご相談も、お気軽にお寄せください。

お問い合わせ: 050-5536-3136(24時間受付) フォームからはお問い合わせページをご利用ください。

※この記事の事例・記録の例は、複数のケースをもとに再構成したもので、特定の個人を指していません。

※2026年10月時点の情報です。制度は改定されることがあります。最新は各公式ページでご確認ください。

参考リンク(公式ページ)

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この記事を書いた人

金子誠 看護師

株式会社True Colors 代表・看護師。千葉県船橋市で「あおい訪問看護ステーション」を運営しています。

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